1話
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だな。
お昼は時間都合上、外で飯を買ってくることもしていない。
それは何故か――。
それは心配性の雫がいるからだ。
「銀華。寝ていないで、お昼を食べましょう。どうせ、朝から何も食べていないんでしょう」
よく分かったな。
そうだよ。最近、自炊してる時間がないから飯なんて食ってねぇよ。
それよりも、白崎の奴、相変わらず、南雲にべったりだな。
まあ、俺としては面白いけどな。
だけど、この不穏な空気をなんとかしてほしいものだよ。
それは俺も同じか。
すると、そこに天之河光輝が
「香織、雫、コッチで食べよう。南雲も魁もまだ寝たりないらしい、せっかくの美味しい手料理を寝惚けたまま食べるなんて、俺が許さない」
アホか、誰がお前の赦しがいるんだよ。
「え? なんで、光輝くんの赦しがいるの?」
天然な白崎の発言に俺はプッと口から噴き出してしまう。
それは、雫も同じで笑いを堪えてた。だけど、クラスの空気が本気で凍ったな。
あのバカの説得も天然には勝てやしねえよ。
そんなやり取りを見ながら、俺は雫が用意してくれたお昼を口にする。
うん、相変わらずうめぇな。
昼飯を食いながら、俺はふと、あのバカの足元を凝視する。
さらに、見聞色の覇気による少し先の未来を視て、ヤバいことを知る。
あのバカの足元には、宇宙でしかお目にかからない陣だ。『魔霊界』にあるはずの魔法陣だぞ。
俺は思わず口走った。
「何故、『魔霊界』の・・・術式・・・」
「え?」
俺が口にした言葉を雫が耳にしてしまう。
雫が聞き返そうとするも今はそんなところではない。
大海賊団の船長である俺は『魔霊界』出身の化物共とはやり合ったことがあるが、今でも非日常に慣れ親しんでる俺だからこそわかる。
「テメエら! さっさと廊下に出ろ!」
俺の叫びも無駄に終わる。
魔法陣が教室全体に広がっていき、周りが悲鳴を上げてる。
まだ残ってた愛子先生も逃げるように叫ぶも既に遅すぎるわ。
「チッ、雫!」
こうなったら、自棄だ。転移先で何が起きても対応できるよう、雫の手を掴む。
そのまま、眩しい光が教室を包み込み、残ってた俺たちは転移に巻き込まれた。
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