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レーヴァティン
第百四十一話 セビーリャ沖の湖戦その九

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「だからな」
「それで、ですね」
「今頃な」
「別の艦隊もですね」
「こっちに来てな」
 そしてというのだ。
「友軍を救おうとしてるさ」
「では」
「敵さんの方から来るなら好都合だよ」
 久志は笑ってこうも言った。
「だからな」
「敵の別艦隊も」
「ここで叩くか、まずはな」
「今目の前にいる敵をですね」
「叩くな」
 こう言って敵艦隊への攻撃を続ける、敵も反撃を繰り出すが大砲の射程それに数が違っていた。その為にだった。
 連合王国の艦隊ばかりが損害を受ける、空からの攻撃も効いていて戦局は一方的になろうとしていた、だが。
 ここで士官の一人が久志に言ってきた。
「北からです」
「敵の別艦隊か」
「はい、その艦隊がです」
 まさにというのだ。
「こちらに向かっています」
「よし、じゃあな」
「それならですね」
「今戦っている艦隊に抑えを置いてな」
 そうしてとだ、久志は士官に話した。
「主力はな」
「そちらにですね」
「向けてな」
 そのうえでというのだ。
「倒していくな」
「それでは」
「ああ、やっぱり来たな」
 久志は自分の読みが当たったことに笑みを浮かべて述べた。
「それじゃあな」
「その艦隊も叩き」
「そうして夜にはな」
 その時にはというと。
「乾杯するぜ」
「そうしますか」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「美味い酒を飲みたかったらな」
 乾杯の時に飲む勝利の美酒、それをというのだ。
「それならな」
「油断するな、ですね」
「ああ、油断したらな」
 その時はというのだ。
「本当に負けるからな」
「船の性能や数が上でも」
「相手も必死なんだ」
「だからこそ」
「油断したらな」
 まさにその時はというのだ。
「負けるからな」
「だからこそ」
「絶対にな、ここはな」
「気を引き締めることですね」
「勝って兜の緒を締めろってな」 
 久志はこの言葉は笑って出した、気を引き締めているが固くなっていない。それ故にこの言葉を出したのだ。
「そう言うしな」
「では」
「ああ、今からな」
「敵の別艦隊にも」
「向かうな」 
 こう言ってだった、久志は自ら艦隊を率いて味方の援軍に来た連合王国の別艦隊に向かった。そうして。
 彼等が来るところに全船の左舷を見せてだった、その射程に入ると。
 砲撃を命じた、その砲撃で敵の艦隊を攻撃した。ここで彼は言った。
「爆裂弾に火炎弾はな」
「ここでもですね」
「使っていきますね」
「ああ、盛大に使ってな」 
 そうしてというのだ。
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