装者達のバレンタインデー
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か。
「翔くんっ!ハッピーバレンタイン!!」
「ジュンくんっ!これ、受け取ってくれッ!!」
響、クリスの二人は、トレーニング上がりの二人に、綺麗にラッピングしたそれを渡した。
「響……」
「なに、翔くん?」
響は息を呑みながら、次の言葉を待った。
「……ありがとう。響からの手作りチョコ、すっげぇ嬉しい」
「ふっふーん、わたしの自信作なんだから〜!」
「それにしても、デカいな……。響らしい、真っ直ぐな気持ちを感じるぞ。この形にするのも、頑張ったんだって伝わって来る」
「そっ、そこまでハッキリ言葉にされると……流石にちょっと恥ずかしいかなぁ……」
そう言って翔は、響の頭を優しく撫でる。
柔らかな笑顔と共に頭を撫でてくる彼。響は真っ赤になって目を伏せる。
そんな響を可愛らしい、と心の中で讃えつつ、翔は彼女の頭を撫で続けていた。
「ありがとう、クリスちゃん。1個ずつ、味わって食べるね」
「お、おう……。べっ、別に感想とかいいからな!?味が悪くても文句言うなよ!」
「うん。じゃあ、美味しかったって気持ちは、後でしっかり言葉にして伝える事にするよ」
「ぐっ……。ったく……やっぱりジュンくんには敵わねぇな……」
一方のクリスも、響とほぼ同じ状態になっていた。
理想の王子の前では、得意のツンデレも全てが不発に終わってしまう。
故にこの銃弾の姫君も、その顔を赤一色に染めてモジモジとするしかないのである。
「そうだ、折角だからお茶にしない?翔と立花さんも一緒に、ね?」
ふと、純が思い付いたように提案する。
翔の答えは、迷うまでもない。
「そうだな。純の淹れるお茶なら、チョコにも合うだろうし。響それでいいよな?」
「うん……わたしも、賛成」
「じゃあ、クリスちゃん。食堂まで行こうか」
「ッ!?」
クリスの目の前に差し伸べられる手。
それは、お姫様をエスコートする時の王子様の手だ。
「こういうのなら、外でやってもいいだろう?」
「……ったく、しょーがねぇな……」
ぶっきらぼうに返しながらも、しっかりとその手を握る。
手を繋いで食堂へと歩いて行く二人の後を追うように、翔と響も歩き出す。
(目の前で味わいながら感想まで言われたら……。うう、恥ずかしくて顔が燃えちゃいそう……)
「そういや、奏さんと小日向は?」
「え?あ〜……未来なら、恭一郎くんに温かいもの渡しに行ってるよ。奏さんはさっき、紅介くんを担いで医務室に走ってたなぁ」
「おいおい、またかよ?」
「うん。なんか、『推しからチョコ貰えたッ!』て叫んだと思ったら倒れたんだって」
「推しから貰えるなら義理でも何でも喜ぶからな〜、あいつ」
この後、食堂の一角では二組のカップルがこれ
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