暁 〜小説投稿サイト〜
なんかポケモンの世界に転生したっぽいんだけど質問ある?
トレーナー とうろくを しよう!
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「……………『レッド』」

「んじゃ俺もーー」

「「「キョウヘイはキョウヘイだろ」」」

 なんでやっ!?




 トレーナー資格の証明カードの発行には暫くかかるらしく、待合室で待たされる。ボケ〜っとテレビを眺めていたが、次第に俺はその映像に飲まれていく。そこに映っていたのはグリーン曰く、昨年のポケモンリーグ決勝戦。対戦カードはディフェンディングチャンピオンの『司霊のキクコ』VS新進気鋭のトレーナー『ドラゴン使いのワタル』。そう、初代ポケモンをプレイしていた人にはお馴染みの四天王の2人が優勝を争って激突していたのだ。

「あ〜、去年の決勝ね。ワタルさんが新チャンピオンになった奴」

 おいおいおいブルーさんや、どうして人が結果を知らずに楽しんどる所に結果をバラしやがりますかこの野郎!?

「だって去年一緒に見たじゃない、生中継で」

「あ、そ〜だっけ?忘れちったよ俺」

「全く、どうすりゃあんな白熱した決勝を忘れられるんだか……」

 呆れた様に語るグリーンと隣で頷くレッド。どうやら4人で観たらしい。それも生で。

『俺も生で観たかったっ…………!』

 ガチで凹みつつもそのバトルを観ている内に、違和感を感じ始める俺。確かにバトルは大迫力でどれだか観ていても飽きない。でも、『それだけ』だ。良くも悪くも力と力のぶつかり合いで、迫力はあるが『それだけ』なのだ。

「…………違う」

 思わず口からボソリと溢れる。俺の求める『ポケモンバトル』ってのはこうじゃない。確かにポケモンを強く鍛え上げるのは大前提だ、基本のキだ。でもそこからトレーナー同士の戦略の組み立てや、ヒリ付くようなお互いの思考の読み合いや技の構成、持たせる道具や特性による戦術。それらが合わさってポケモンバトルは成り立っている。だが、これじゃあただの力任せな殴り合いだ。場末のヤンキー同士の喧嘩と大差ない。俺はあのプロスポーツに負けるとも劣らない様な、楽しいバトルがしたいんだ。

「…………決めた」

「何を?」

「俺、チャンピオンになるわ」

「はぁ?」

「俺、ポケモンリーグのチャンピオンになるわ」

「また始まったよ、『クレイジーキョウヘイ』のとんでも発言」

 グリーンがやれやれだぜ、って呆れてるが構うもんか。俺がチャンピオンになって、この世界に『本当のポケモンバトル』を教えてやる!

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