070話 文化祭編・開催3日目(05) ネギの思い至った答え
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と思います…こう言ってはなんですが、超さんのそれはただのエゴとして切り捨てなければいけません」
超さんのエゴ……。
確かにそれは正しいと思う。
でも、そんな言葉で簡単に片づけてしまってもいいものなのか…?
確かに僕もそこまでは夕映さんと同じく考えています。
分かっている…。いや、分かっていた。
だから僕は溢れてしまう涙を止めようともせずに、僕の想いを夕映さんに伝えました。
もしかしたら超さんの計画が成功すれば、そのわずかな犠牲になるであろう人達も救えるのかもしれないと…。
これだけはどう考えても間違いなのではないと…。
「それに、過去を変えるというならば、一週間後から戻った僕達も同じことです」
「ッ!?」
それで夕映さんの表情が引き攣ります。
でも、僕は続けます。超さんはわざわざ未来人だと教えてくれた、もしそれを知らなかったら果たして僕達は超さんの事をかたくなに否定できていたのだろうかと……。
五月さんからも言われました。
動機はどうあれ、それでも今までネギ先生が培ってきたものは間違いなのではないと、立派な力なのだと…。
そして、もし超さんの計画が成功しても罰を受けるのは僕達魔法使いだけで一般の人達には被害は表向きは出ないだろうとも…。
「そんな! それではネギ先生は超さんに協力するというのですか!? おとなしくこの学園から去ってしまい、のどかへの返事もうやむやにしてしまうつもりなのですか!?」
「夕映さん……」
「そ、それに、未来でのイリヤさんの士郎さんに対する想いも無駄にするつもりなのですか!? 未来のイリヤさんは士郎さんの死という悲劇を回避するようにと私達を手助けしてくれました…。そんな、イリヤさんの願いもネギ先生は否定してしまうのですか!!?」
それから夕映さんの必死の説得を受け、胸が痛む思いをしながらも、僕はおそらくそこで夕映さんにも看過できない一言を言ってしまったのでしょう…。
「僕が……みんなと一緒にいたいという思いも……それも僕の我儘だとは言えないでしょうか……?」
「ッッッ!! ネギ先生!!」
次の瞬間には僕は夕映さんに頬を叩かれてしまいました…。
こうなるのは薄っすらと分かっていた。
こうなる事も僕はある意味期待していたのかもしれない。
誰かに叱ってほしい…。
もう正義だけでは先に進めないという事も…。
士郎さん、あなただったらこんな僕の考えも分かってくれるんでしょうか…?
もう、僕は僕自身の正義だけでは先に進めません!
「ありがとうございます……」
「い、いえ…私とした事がなんてアホで無体な事を…」
「いえ、おそらく僕は夕映さんに殴ってほしかったのかもしれません」
「先生…」
「兄貴…」
夕映さんとカモ君がそれで神妙な顔になっています
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