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「親子だよ」
言いながらアスナは俺の体を引き寄せた。
「親子、でしょ?」
拗ねたように唇をすぼめる仕草が、すごく魅力的だった。
「うん……ま、まあ。親子だな……ちょっと変わってるかもしれないけど」
「……ちょっとだけ、ね」
アスナはことん、と俺に体重を預けてきた。
「じゃあ……その」
ごそごそ、と俺の耳に唇をよせてアスナがそっと――甘えるようにつぶやいた。
「……どうしようか、これから……飲み直す?」
「うーん……」
唸りながら考える。これがSAO内部の話なら話は早い。時間が許すまで――いちゃつくわけだが、残念ながらALOには例のコード設定解除がない。
年少者、俺でさえまだ十七歳だし、若年の子供のプレイも想定されるALOであんなものが実装されれば教育団体から即座に抗議がくることだろう。
無い方がいい――とは思ってはいるものの、アミュスフィアの感覚キャンセル機能はナーヴギアには一歩劣るせいで時折どうしようもなく、アスナに触れたくなってしまう時があったり、なかったり、あったり。
以前、むりやり、こう、なんとかしようとして、密着するたびにポップするハラスメント警告ウィンドウに辟易し、イロイロあきらめざる負えなかった。いや、そこまでしなくても、一緒にあの揺り椅子で寝落ちする、というのもかなり魅力的ではあるのだけれど、それはたぶんこれから何十回も繰り返すだろうから、記念日的なイベントにはパンチが弱いきがする。
そこでふと、右脳にぴきーんと、ひらめき。
「ああ……そうだ。あれ挑戦しに行こうぜ」
「あれ?」
アスナが髪を揺らして見つめ返してくる。
「そう。あれ。耐寒装備がいるな……用意よろしく!」
アスナの腕を引きながら、俺は階下に向かった。
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