第3話
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かさず男の身体の中に突っ込む。 すると、ネビュラガスに侵されていくのとは違った、力が漲ってくる充足感が男を満たしていく。
『ぐぉぉぉああああああっっ!!!!』
「今日から君が、『仮面ライダービルド』さ!」
《BUILD・・・・・・!!》
『ぐぅぅ!! ・・・・・・フンッ!!!』
かくして、憎悪のマッドサイエンティスト。アナザービルドがとある世界に顕現した瞬間である。
─────
砂嵐が眼前の視界を奪う。俺に激しく叩きつける砂から身をを守るようにフードを一段と深く被り、素肌を出さないように厚着を羽織り、1歩ずつ砂の大地を歩んでいく。
どうにか砂の一帯を抜けると、俺の目の前には今まで訪れた中で比較的健在な街があった。 街一帯は活気づいており、人々の目からは決して希望が失われていなかった。今までは違う街の雰囲気に俺は少しばかり面を食らったが、そんな街もあるだろうと脳の奥隅に追いやり、近くで野菜の売買を行っていた人に話を聞く。
「すみません、少しいいですか?」
「どーしたお兄ちゃん、野菜が欲しいんかい? うちの野菜は採れたてやで〜?」
「あ、いえ。何処か、泊まれる場所は無いですか?」
「泊まれる場所? うーん、悪いけどうちの街はそういう場所は無いわねぇ」
「そうですか・・・・・・ありがとうございました」
俺は八百屋さんのおばさんに詫びと礼を言うと、おばさんは「そうかい」という返事を言い、何事も無かったかのように販売を再開する。どうしたものかと肩を若干落としてため息をついていると、後ろから声を掛けられる。
「あ、あの。何かお困りですか?」
視線を声主へと向けると、そこには女の子がキョトンとしながらコチラの様子を伺っていた。黒髪のロング、曇の蒼い瞳に控え目なつり目と、美少女といっても差し支えない容姿である。俺は話そうか少し迷いながら、事情を口にする。
「あぁ、えっと…………宿を探してるんだ」
「宿? …………もしかして、旅をしてる方なんですか?」
「まあ、大体そんな所」
「そうなんですね…………今の世の中、旅人なんて滅多にいませんから。何時ぐらいから旅をしてるんですか?」
「えっと、2・・・・・・」
「2?」
「2ヶ月、かな」
少女の会話に釣られ2年、と思わず言いかけたが、既のところで抑える。2年という期間放浪していたなど誰も信じてくれるわけが無い。この世界で2年生き延びられる者など、アナザーライダーの襲撃を受けなかった幸運者か…………アナザーライダー本人しか居ない。初対面の人とは分かっていても、変に自身の秘密について嗅がられるのが嫌でだった。
少女も俺の空気を察したのか、それ以上は追求する事はしなかった。 その
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ