第3話
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生命「エボルト」 に桐生戦兎に抱く憎悪煽動を受け、スマッシュとして桐生戦兎───仮面ライダービルドと対峙した。しかしライダーシステムの劣化であるスマッシュが、オリジナル──それでもプロトタイプの劣化版なのだが──のライダーに勝てる筈もなく、男は敗れた。
科学者としても、人としても、異形としても奴に劣った。いや、初めから男には桐生戦兎を上回る素質なんてなかったのだと。そんな現実に打ちのめされた男は、自暴自棄に持っていたボトルを、身体に直接押し当てる。
「───さん、何を?!」
「ぅっ・・・・・・ぐぅ・・・! 黙れぇ!!!」
身体がネビュラガスに侵されていく。神経という神経に、手に、足に、肺に、心臓に、恐らく脳みそにまでガスが回っていく。苦しい。だが、これから奴の存在に醜く嫉妬する自分がどうしても耐えられなかった。それに、どうせ生き延びた所でスタークに口封じのために始末されるのは必然であった。
アイツは平気でそれをやれる外道であった。それくらいなら、自決した方がまだマシであった。 やがて身体がネビュラガスを許容できなくなり、粒子を放出するように分解し始める。
「フハハハハハハハッッッッ!!!!!! ファウストに、栄光あれ──!!!」
男は最後にそう言葉を残して、現世から消滅した──筈だった。
「・・・・・・ここ、は?」
男が目が覚めると、そこは辺り一帯が瓦礫に積まれた廃墟の中心であった。天国にしては殺伐とし過ぎているし、何よりも自分のいた世界を象徴していた壁が存在していない。
自分の身に何が起きているのかと困惑している所に、更に男を驚愕させる現象が起きた。
「な、なんだ・・・・・・!?」
男の周りの時の時間が、完全に静止したかのように、動かなくなったのだ。景色や風、何もかもが。 腐っても物理学者である男から見ても、余りにも非現実的であった。そして男の背後から、初めからそこに居たかのように小柄の少年──ウールが現れる。
「やあ、僕はウール。君に力を与えに来たんだよ」
「・・・・・・何だと?」
「君は死んだ。 だけど、僕はその君の中に眠る憎悪に目をつけたってわけさ! もし君が望むなら、力を与えてあげるし、新しい生も与えよう。どう?」
ウールとの名乗る少年からの提言は、実に非現実的で、バカバカしかった。 だが、1度死を経験したからなのだろうか。2度目の生などどうでもよかったのだが、男はこれも一興だと嗤う。どうせ自分にはもう何も無い。ならばあの男が掲げた思想の真逆へと逝ってやる。その憎しみを胸に、男は二つ返事で承諾をした。
「なんだ分からねぇが、乗ってやるよ」
「契約成立っと」
ウールはほくそ笑むと、ブランクライドウォッチを起動、す
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