第一部
第四章 いつだって、道はある。
ヒルゼン
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に映ってくるところだった。
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「じゃーね、イルカ先生!」
イルカに手を振り、ナルトが走ってカカシ、サクラ、サスケの元へと走っていく。今はそこがナルトの居場所だった。カカシが立ち、サクラが微笑み、サスケが笑うその場所こそが。
そしてきっとナルトはこれからもずっと、彼らを守る為に戦い続けるはずだ。
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「壊滅は免れたものの、被害は甚大なようですねえ」
鬼鮫が代金を無人のカウンターに置いた。串が皿の上に転がり、空の世のみが机の上に置かれてあった。カウンターは無人でも代金を一応置いておくあたり、鬼鮫とイタチの人柄が透けて見える。
「しかも大蛇丸にはみすみす逃げられてしまいましたし」
「……いや。大蛇丸は三代目火影の術の所為で恐らくもう術を使うことは出来ないはずだ。両方を壊滅させることは出来なかったが……」
「おかげで九尾の人柱力が誰なのかわかりましたね。やれやれ、自分が一尾だと触れて回るようなことばかりの一尾の人柱力よりも、ずっと尻尾を隠すのが上手いようですねェ」
くすくすと鬼鮫が笑い声をたて、そして幾分低い声で言った。
「しかし……あの妖ども、予想以上に集まってきているようですね。――そろそろアジトに戻りますか、イタチさん?」
「……いや……」
イタチは笠をかぶった。しゃりん、と鈴の音がした。
「サスケがどれくらい強くなったのか、少し確かめてみたい」
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「なんで?」
泣き声が響き渡る病室で、一人の少年が咽び泣いていた。
「どうして?」
少年が目を覚ましたのはたった今朝のこと。葬儀への参加も許されず、朦朧とした意識のなかずっと病室に横たわっていた彼が知らされた事実。
彼が昏睡している間に起きた木ノ葉崩し――そして、父と妹の死。
「なんで俺が眠ってる間に……あああぁあああッ」
なんで自分は眠り続けていることしか出来なかったのだろう。なんでなんでどうして。なんで自分が寝ている内に木ノ葉崩しが起こっており、その上自分の肉親が、たった二人の肉親が死んでいるのだろうか。
呪いにしか思えなかった。なんで木ノ葉崩しの間なにも知らずに眠りこけていた自分だけが生き残っているのだろう。
どん、と壁を殴りつける。握り締めた拳から血が滴った。
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