第一部
第四章 いつだって、道はある。
ヒルゼン
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き出すのを、サクラとナルトは同時に追いかけ、そして当たり前のように三人で並んで歩いた。それが当たり前のことだった。少なくとも今までは。
今日は三代目火影の葬式だった。
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沢山の遺影が並べられていた。
一番真ん中の高い位置におかれたのが三代目火影、猿飛ヒルゼンのものだ。周りにはその他の上忍や中忍の遺影が整列していた。白い目の者、サングラスをつけた者、赤い逆三角形を頬に描いた者、黒髪をつむじで束ねたもの、オレンジの混じった金の髪の者、「食」の字が書かれた衣服をつけた者、紫の髪をした女性みたいな顔の男性、その他様々な姿な者たちの遺影が、そこにあった。
それら全てが木ノ葉崩しの被害者だ。上忍や中忍のだけでもなく、一般市民のものもあった。チョウジはその中に、白い髪に赤い目の男性と、ヤバネの遺影を見つけた。
最前列に立つのはご意見番水戸門ホムラにうたたねコハルだ。ダンゾウの姿はない――暗部はこんなときでさえ死者を弔う暇を与えられることはない。こうしている今も彼らは木ノ葉崩しに関することを調べているはずだった。
ぴちゃぴちゃと雨が、黒装束に身を包んだ膨大な数の参列者達の上に降り注いだ。
「この度の戦闘で、命を落とした三代目火影、並びに、その犠牲者を弔うための、葬儀を行う」
ホムラが宣言した。白い花が一輪、また一輪と捧げられていく。忍びの名前はきっともう慰霊碑に刻まれたはずだった――木ノ葉を守り通した英雄として。
直ぐ傍で、泣き声が聞こえる。木ノ葉丸だった。イルカがその肩をそっと抱いた。
ずっと昔――イルカは慰霊碑の前で泣いていた。九尾に殺された両親を想って泣き続けていた。その時やってきたヒルゼンに、イルカは自分は九尾を守って死んだ英雄の子だから、悲しくなんか無いと、泣いてなんかないと強がった。そんな自分を、まるで自分の子供を抱くかのように抱きしめてくれたヒルゼンの暖かさも、優しい言葉も、まだ鮮明に覚えている。
そして鮮明に覚えているからこそ悲しい。イルカは木ノ葉丸をそっと抱き寄せた。
例えば、チョウジとシカマルが一緒に悪戯して三代目にこっぴどく怒鳴られたこととか。
例えば、サクラといのが一緒に花を三代目にプレゼントしたこととか。
例えば、嫌そうな顔しながらも抵抗しなかったサスケを撫でてる時、三代目が笑ってたこととか。
例えば、任務帰りに団子を食べているキバ、シノ、ヒナタと三代目が、ちょっと立ち話をしたこととか。
例えば、無銭飲食をしたマナを三代目がこっぴどく叱って、でも懲りないマナに三代目が溜息ついてたこととか。
例えば、いじめられっこだったユヅルが、三代目を見るといじめっこの存在も何もかも忘れてにこにこすることとか。
例えば、はじめの水遁を見た三代目が色々なアドバイスをしてた
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