第四章
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「本当に」
「これいけるわよ」
「舞台大成功よ」
「これで間違いないから」
「だから頑張ってね」
「メインで活躍してね」
「元々メインキャラだしね」
ティターニャはというのだ。
「頑張るよ」
「そうしてね」
「本当に富田君軸になってもらうから」
「それでやってね」
「ティターニャになりきってね」
こう言ってだ、そしてだった。
太一は舞台に挑んだがここでだった。
舞台を見た観客が口々に言った。
「あのティターニャ誰だ？」
「滅茶苦茶美人だな」
「このクラス男子が女の子の役やってるんだよな」
「女子が男の子の役で」
「じゃああのティターニャ男子か」
「無茶苦茶顔のいい奴がやってるんだよな」
「じゃあ誰なんだ？」
ティターニャを演じる太一を見て言うのだった。
「一体」
「あの子誰？」
「私達より奇麗だし」
「あのクラスにあんな子いた？」
「一体誰なの」
「本当に」
女子達も唸る程だった、そして舞台が終わると。
太一は注目の的になった、それで言われた。
「あれお前だったんだな」
「うわ、地顔もいいじゃない」
「美形だな」
「可愛い顔ね」
「舞台でこれはと思ったけど」
「素顔もまた」
こんなことを言うのだった、それで太一も。
自分の顔を鏡で見てからクラスメイト達に言った。
「この顔もいいかな」
「いいだろ、悪くないんだから」
「幾ら美少女顔でもね」
「いいって言われるならいいだろ」
「それで」
「そうなるんだね、これまでこの顔は自分では好きになれなかったけれど」
だから気にしていたのだ。
「今回のことで変わったよ」
「これからは好きになれよ、自分の顔」
「本当に悪くないから」
「自分の顔が好きでいられるならそれでいいでしょ」
「悪いことじゃないだろ」
「そうだね、これからはそう思うよ」
太一はクラスメイト達に笑って応えた、そうしてだった。
以後このことで友人達にとやかく言うことはしなくなった、それどころかこのことから演劇部に入り。
部活でもその顔を活かすことになった、彼の顔のよさは評判で特に女性の役をした時に評判になり普通の女性よりも奇麗だと言われた。その時にはもう彼の心の中に自分の顔に対する否定的な気持ちはなくなっていた。自惚れてはいないが好きになっていた。
美少女顔 完
２０１９・８・１８
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