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占い師の林檎
第二章

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「それがわかる」
「間もなく」
「そうなりますね」
「それが楽しみだ」 
 こう言って母牛が子牛を産むのを待った、そしてだった。
 間もなくしてその子牛が産まれた、カリフは産まれたと聞くとすぐにその子牛を見に行った。するとだった。
 その産まれた子牛を見ると実際に黒毛だった、そのうえ尾の先が白く尚且つ」その先が巻き上がり額に当たっていて星の様に見えた。
 それでだ、カリフは笑って話した。
「二人はそれぞれ当たった」
「左様ですね」
「二人の占いは」
 周りの者達もこうカリフに答えた。
「それぞれ当たりました」
「実際に色は黒です」
「そして尾の先が白く」
「その尾が額に当たり白い星となっています」
「それではです」
「二人の占いは当たりました」
「見事なものだ、わしは優れた占い師を持って幸せだ」
 カリフは満面の笑みで言った、だがこのカリフは随分と人を試したがる性格だった。それでまたアブーとマラームに言った。
「またそなた達に聞きたい」
「何でしょうか」
「何をお聞きなのでしょうか」
「わしは今あるものを隠している」
 こう言うのだった。
「それが何かわかるか」
「はい、それではです」
「今より占います」
 マーシャルとマラームはカリフに答えてすぐにだった。
 それぞれ占いをはじめた、そうしてまずはマラームが答えた。
「果物であります」
「お主はそう出たか」
「はい、まさに」
「そうか、ではそなたはどうか」
 カリフはマラームの言葉を聞いてから楽しそうな顔でマーシャルに尋ねた。
「そなたの占いはどう出た」
「生きものでございます」
「そう出たか」
「はい」
「嘘ではないな」
「占いの結果は絶対です」
 それ故にとだ、マーシャルはカリフに答えた。
「それを偽ることはしませぬ」
「そうか、ではその隠しているものを出そう」
 カリフは楽しそうな笑みのまま二人に言った、そして服からあるものを出したがそれは一体何かというと。
 林檎だった、カリフはそれを見せて言った。
「マーシャルの占いは今度は外れたな」
「ではです」
 マーシャルは落ち着いていた、それでカリフにこう言った。
「中を見て頂けませぬか」
「林檎の中をか」
「はい、二つに割ってみて下さい」
「そなたの占いを確かめたいか」
「私の占いでは生きものと出ました」
 このことは間違いないというのだ。
「ですから」
「それをか」
「確かめたいので」
 だからだというのだ。
「お願いします」
「わかった、ではな」
 カリフはマーシャルの言葉に頷いた、そしてだった。
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