エピローグ
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それから私は、とりあえず両親に連絡して、無事であることを伝えた。すると、たちまち警察に保護されて、私とアオイは事情聴取を受けることになった。
なにもされていないことと、盗まれたものは返してもらったことを話したあと、その他なにか盗られたものはないか家の中を調べてもらうことになった。
前回同様、なにも痕跡はなく、今回は特に被害もなかったため、捜査はすぐに終わった。
やっと落ち着いた頃、私はお見合いの話を丁寧に断り、両親に自分の気持ちを伝えに行った。
大変だろうと覚悟していた私は、その話の流れのスムーズさに驚いてしまった。
お見合いの方は、相手方は断られ慣れているらしく、すぐに了解され、もう次のお見合いをしているらしいと聞いた。これはわかる。
最も驚いたのは、両親の反応の方だった。私はまず、もうお見合いはしないということを伝えた。説得されるか怒られるか、とにかくなにかしら反対されると思っていた私は、かなり不安を感じていた。
「ごめんなさい!」
ソファに座る両親を目の前にして、私はバッと頭を下げた。どうにか話をつけなければいけない。
「うん。アオイくんと付き合うんだろう?」
「えっ……ええ、なんで!?」
お父さんのゆったりとした口調で放たれた言葉に、私は驚いて叫んでしまった。なんで知ってるんだ。
「昨日アオイくんが来て、ツグミとお付き合いしたいってお願いされたんだよ」
「え、ええ……」
私はすっかり拍子抜けしてしまった。
アオイらしいといえば、アオイらしいけど……。
「あの、でも……いいの?」
アオイは昨日、怒鳴られたり追い返されたりしなかったのだろうか。今は穏やかだけど、もしかしたら私が知らないうちに、一悶着あったのかもしれない。
恐る恐る尋ねると、今度はお母さんが信じられないというような表情で立ち上がった。
「当たり前じゃない!」
「えっ」
「アオイくんは、あの怪盗キッドからツグミを救ってくれた恩人なのよ!? こんなに頼もしいお相手なんていないじゃない〜っ」
「な……なるほど」
確かに、結果だけ見るとそういうことになる。
厳密に考えると頷き難いけど……結局、怪盗キッドの目的がなんだったのかはわからないし、否定するにもなんとも言えない。
それに、状況的には好都合であるから、このままにしておいてもいいかもしれない。
お母さんの大絶賛ぶりは、逆に私がたじろいでしまうほどだった。とにかくよかった。アオイと私の家は、会社同士の仲も、少し良くなるかもしれない。
でもその一方で、アオイの婚約の話を解消させるのは、すごく大変だったのだと思う。
というのも、アオイはそのことを、私に少しも話さなかったのだ。聞いてみても、自分の
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