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レーヴァティン
第百三十九話 西への出航その一

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               第百三十九話  西への出航
 久志達は連合王国との戦に備えて軍勢の物資を集め装備を整えていた。
 そのうえで軍艦の増産も進めていたがその中でだった、久志はテルシオへの対策についても進めていた。
 久志は軍議の場で仲間達にテルシオのことを話した。
「本当にテルシオは城だな」
「はい、ですから迂闊に攻めると」
 そうすると、とだ。進太が答えた。
「槍に防がれますし」
「鉄砲にも撃たれてな」
「負けるでござる」
「そうだよな」
「テルシオ一つ一つがそうであり」
 そしてとだ、進太はさらに話した。
「合わさっているので」
「だからか」
「余計にでござる」
 まさにというのだ。
「強いでござる」
「そうだよな、そう思うとな」
「攻めにくい陣でござるな」
「ああ、もしぶつかったらな」
 その場合はとだ、久志は話した。
「負けるな」
「歩兵も騎兵もでござる」
「だよな、じゃあな」
「ぶつからないことでござる」
「だよな、しかし」
「しかし?」
「術使う奴や鉄砲の数がな」
 テルシオのそれがとだ、久志はここで指摘した。
「案外少ないな」
「槍は多くとも、ござるな」
「ああ、それとな」
 久志はさらに話した。
「重厚で堅固でも分厚過ぎてな」
「うん、テルシオって十列から十五列だね」
 剛もテルシオの分厚さについて話した。
「分厚い方陣でね」
「それだけに迫力あってな」
「強いけれどね」
「後ろの方がな」
 テルシオの列の後ろの方がというのだ。
「戦力になってないな」
「そうだよね」
「それで分厚過ぎてな」
「動きも遅いね」
「これ滅茶苦茶遅いよな」
「機動力はないね」
 実際にとだ、剛は久志に答えた。
「それもかなり」
「そうだよな、縦にも横にも強いけれどな」
「あと後ろから攻めても」
 この場合もというのだ。
「すぐに対応出来るね」
「振り向いたらな」
「それで向かえるからね」
「だから堅固さが余計に際立つな」
「そうなんだよね」
「けれど遅くてな」
 久志はまたテルシオのこのポイントを指摘した。
「そして術を使う奴や鉄砲の数がな」
「テルシオ一つ辺りを構成する兵士の数の多さの割には」
「少ないな」
「そうだよね」
「それでその術や鉄砲を使ってな」
 攻撃にというのだ。
「そこから敵軍にぶつかって倒すな」
「今度は槍でね」
「そうした戦術だな、しかし」
 ここでだ、久志は強い声で言った。
「これはぶつからないといいな」
「そうだね、結局は」
 清音も言ってきた。
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