アインクラッド編
軍の壊滅
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かる責務をクラインは背負っている。
キリトは一瞬、〈始まりの街〉にてクラインを置き去りにしたことに対する罪の意識で胸が痛くなる。
「おめぇはどうすんだよ?」
クラインから返される問い。
「お・・・わたしは参加するつもりだけど、まあ、あまりにも無謀だと思ったら抜けるつもり」
「じゃあ、アスカはどうすんだ?」
「・・・・何で、アスカのことをわたしに聞くんだよ?」
意味が分からない。
クラインがあまりにも当然、といった風に聞いてきたので訝しむ。
アスカとは第1層でパーティーメンバーとして一緒に戦って以来、腐れ縁というやつなのか、かなりの頻度でボス戦ではおなじパーティーになることが多いが、キリトやアスカのような変わり者ソロプレイヤーを気軽にパーティーに誘ってくれるのが、エギルやクラインだけだからだ。
コンビというよりは、利害関係が一致しているから組んでいるだけだったはずだ。
「知らないのか?」
「知らない。まあ、アスカのことだからよっぽどのことが無い限り参加すると思うけど」
第1層で見せたほどの必死さは見られないが、それでもアスカは熱心にボス攻略をしている。
〈アインクラッド解放隊〉が壊滅したからといって攻略から下りるとは思えない。
「アイツもギルドに入ってないから心配なんだよな」
「クラインもあっさりと断られてたからな」
キリトの指摘にクラインはバーガーをうぐっと喉に詰まらせて、大急ぎでジュースを飲んでいる。
まあ、この世界では呼吸をする必要がないので、喉を詰まらせても何も問題にはならない。
ポテトをパクパクと食べながらクラインがしどろもどろ言う。
「べ、ベータテスターでも無いのにソロやってるのアイツだけだろ?だから俺は心配してだな・・・・・・」
「アスカがギルドに入ってくれたら女も入ってくれるかも、とか言ってなかったか?」
酒に付き合ったときに愚痴るように言っていたのをキリトは覚えている。
アスカの容姿は〈手鏡〉を使わずに元のアバターのままなのでは?と思えるほど圧倒的だ。
男女比率が9対1ほどのこの世界で逆に女子に言い寄られているのはアスカくらいだろう。
噂ではファンクラブが存在するらしい。
そのアスカがギルドに入れば、女子も入って来るのでは?と考えたらしい。
今度はポテトをうぐぐっと盛大に喉に詰まらせるクライン。
大急ぎでジュースを飲もうとするが、空になっているらしく、苦悶の表情を浮かべている。
クラインの手がキリトのジュースへと伸びるが、キリトは素早くジュースを手に取る。
なぜ?why?といった感じの表情の死にかけクラインに、呆れていたギルドメンバーの1人がジュースを渡してやると、クラインはそれを全て飲み干す。
「はあー・・・、死ぬかと思ったぜ」
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