第二章
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「売れてるわね」
「ジンギスカン鍋屋さんも」
「お寿司屋さんもね」
「お土産も売れていますし」
「いいこと尽くしね、お陰でね」
フェスタが大好評でというのだ。
「私達も大忙しですね」
「朝から晩まで」
「勤務時間内はね」
「そうですよね」
「ええ、ただ残業はね」
これはとだ、美里は山縣に注意する様に言った。
「わかってるわね」
「しないことですね」
「だからうちの百貨店人が多いのよ」
最初から多くのスタッフを用意しているというのだ。
「人手が多いとね」
「それだけですね」
「そう、仕事もはかどるでしょ」
「五人より六人ですからね」
ここで山縣はこんなことも言った。
「やっぱり」
「どうしてそこで五人から六人なの?」
「戦隊がそうですから」
この特撮シリーズがというのだ。
「途中で追加メンバー入るのが常ですから」
「それでそう言うのね」
「はい、駄目ですか?」
「わかりやすいからいいわ、ただ私日曜の朝は」
戦隊が放送されている時間はというと。
「大抵お仕事だから」
「百貨店ですからね」
「観ていないわ」
「録画されないんですか」
「よく忘れるの」
「それはよくないですよ、戦隊とライダーは観ないと」
絶対にとだ、山縣は美里に返した。
「ためにならないですよ」
「特撮は教育番組ね」
「大人にとってもそうですから」
だからだというのだ。
「是非です」
「観ないといけないのね」
「何があっても」
「そうなのね」
「何なら録画貸しましょうか」
「それならレンタルで借りてね」
「そうして観ますか」
「そうするわ、家の近くにレンタルビデオショップあるし」
「駅前ですか」
「西淀川の方のね」
美里はそちらにマンションを借りて住んでいるのだ、そのマンションは八条百貨店と同じく八条グループが経営しているものだ。
「そこで借りて」
「そうしてですか」
「観るわ」
「そうですか、じゃあ」
「お仕事しましょう」
美里は山縣に強い声で言った。
「いいわね」
「はい、それじゃあ」
こう話してだ、そしてだった。
美里は山縣にテキパキと指示を出しつつフェスタの裏方で頑張っていった、二人も他のスタッフ達も頑張っていたが。
山縣はアイヌの民族衣装、商品であるそれを見て美里に尋ねた。
「アイヌの民族衣装も売るんですよね」
「それ人気なのよ」
美里もその服を見ている、そのうえで山縣に答えた。
「去年も一昨年もね」
「売れたんですか」
「そうなの、これがね」
「そうですか」
「クッシーの置きものとかマリモと一緒にね」
「クッシーもですか」
「それチーフの趣味でね」
このフェスタの責任者のというのだ。
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