第二章
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「阪神は日本一になるからな」
「それ毎年言ってるけれどね」
「今年こそだよ」
「阪神は日本一になるの」
「そうだよ」
まさにとだ、また宣言した。
「西宮神宮に行ってお願いしてくるからな」
「それで間違いなくっていうのね」
「ああ、残念だがカープの優勝はないからな」
寿は強い声で言い切った。
「来年は」
「じゃあ私も言うわよ」
千佳も負けていない、やはり強い声で言うのだった。
「厳島でカープの日本一をお願いしてね」
「そしてか」
「今年の十月は佐々岡監督はシリーズで胴上げされてるわ」
「そういえば監督さん代わったな」
「佐々岡さんにね、緒方さんから黄金時代を受け継いで」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「佐々岡監督の胴上げか」
「そうなるのよ」
「それ去年の今時も言ってたよな」
寿も千佳にこう返した。
「そしてな」
「カープは四位だったっていうのね」
「ああ、阪神に順位で負けたな」
「そうなのよね」
「阪神も負けたけれどな」
「そうよね」
「クライマックスで」
「けれど来年は違うからな」
寿はあくまで強気だった、その強気のまま言うのだった。
「来年こそは日本一だ」
「十二球団一の投手陣があるから」
「防御率は最高なんだぞ」
「エラー多いし打線打たないけれどね」
「それはそうだけれどな」
それでもというのだ。
「来年は違うからな」
「それ言ったらカープもよ、カープは来年こそね」
「日本一か」
「伊達に育成に必死じゃないわよ」
若手を猛練習で育て上げる、カープのこの伝統によってというのだ。
「いい若手は相変わらず健在だから」
「それでか」
「そうよ、カープは来年こそね」
「日本一か」
「巨人の優勝は来年ないでしょうし」
このチームもというのだ。
「シリーズのあの様見たら」
「加齢に四連敗したな」
「お兄ちゃんも知ってるでしょ、シリーズで四連敗したチームは次のシーズンでリーグ優勝しないのよ」
「そのジンクスあるな、実際な」
寿はこのジンクスについて苦い顔で述べた。
「阪神だってな」
「ロッテとのあの時よね」
「二〇〇五年な、見事に負けてな」
俗に三十三対四と言われる、伝説とさえなっている。
「翌年優勝しなかったな」
「というか今までよね」
千佳は嘲笑しなかったが冷たい目で事実を告げた。
「阪神あの年からリーグ優勝してないわね」
「シリーズには出たけれどな」
「優勝しそうでも負けたことあったわね」
「後半急に調子落としてな」
「よりによって巨人に負けたわね」
「あれは忌まわしい屈辱だよ」
もっと言えば日本国民そして野球を愛する世界の人達に対する裏切りである、憎むべき邪悪巨人にその様なことを許す
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