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イタリアで出会った日本人達
第三章

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「わかりますが」
「日本語については」
「悪魔の言語なので」
「大学で専門的に学んでいても」
「苦労しています、ですが」
 店員はクライストにあらためて話した。
「お客様はあちらの方々がお客様に何を言っておられるか」
「僕に言っている気がするからね」
「あっ、凄くよく召し上がられると」
「そう言ってるのかい」
「はい、立派な体格を去れているだけあって」
「ああ、そういうことだね」
 それならとだ、クライストは何でもないという顔になって述べた。
「それならいいよ」
「そうですか」
「実際にこの体格でよく食べるしね」
 クライストは二メートルある筋骨隆々のその体格を自覚してそのうえで話した。
「だからね」
「言われてもですか」
「何とも思わないよ」
「そうですか」
「これが僕の顔とか体格とかドイツのこととか」
「そういうことを言われるとですね」
「どうかと思ったけれど」 
 それでもというのだ。
「僕の体格と食べる量は実際のことだから」
「いいですか」
「うん、それでね」
 そのうえでというのだ。
「これから食べさせてもらうよ」
「わかりました」
「マカロニにペンネにフェットチーネにラザニアに」
「スパゲティもですね」
「そう、ネーロもカルボナーラも」
 見ればどのパスタも既に店員はオーダーに書いてある。
「頼むよ」
「そうしますか」
「そう、そしてね」
 そしてというのだ。
「ワインもね」
「頼まれますね」
「ワインは赤で甘いものでいいかな」
「わかりました、それでは」
「あとチーズもね」
 これも注文することを忘れなかった。
「頼ませてもらうよ」
「それでは」
「あとあちらのお客さん達には何も言わなくていいから」
 その日本人達も見て話した。
「別に悪いことでもないしね」
「お客様がそう思われているから」
「そう、だからね」
 それ故にというのだ。
「いいよ」
「そうですか、では」
「うん、食べさせてもらうよ」
 こう言ってそうしてだった。
 クライストは実際に自分が注文したパスタを全て食べワインはボトル三本開けてチーズもデザートの苺のタルトも食べた、それを見て日本人の女性達は驚いていたが。
 ふとだ、クライストは店員に食べ終えてから彼女達を見て話した。
「僕の食べる量は実際に多いけれど」
「それでもですか」
「彼女達の驚き方は凄いね」
「実は日本人は少食な方で」
「そうなんだ」
「体格は私達と同じ位でも」
「見れば彼女達は大体一六三位だね」
「はい、イタリアでは然程小柄ではないですが」
 それでもというのだ。
「召し上がられる量はです」
 それはというのだ。
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