ターン20 独善たる執行者たち
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行えなくするデメリットがあります。しかしクノスぺの持つ他のE・HEROが存在する場合に直接攻撃が行える効果は永続効果、よってその制約にもかかりません」
少し息を整え、改めて男たちを精いっぱいの力を込めて睨みつける。すでにデュエリストとしての本能が骨の髄までしみ込んでいる自分は、まだいい。しかし目の前の男たちは、それとは全く無関係のこの学校の人たちを……そして何よりも、少女の親友を巻き込んだのだ。
しかし、それもようやく終わる。万感の思いを込めて、最後の指令を口にした。
「私たちの、勝ちです。バトル、クノスぺでダイレクトアタック!」
E・HERO クノスぺ 攻1400→侵入者(直接攻撃)
侵入者 LP1400→0
「はあーっ、ようやく終わりました……竹丸さん!」
「はーい、お疲れさん」
クノスぺの手痛い一撃を受け、気絶したのかその場に崩れ落ちる2人の男。それには目もくれずさるぐつわをされたままの友人へと駆け付ける少女の背中に、のんびりとしたねぎらいの言葉が飛ぶ。多少もたつきながらもどうにか結び目をほどくと、丸い瞳に安堵の涙をいっぱいに溜めたその顔と目が合った。
「竹丸さん……もう、終わりましたよ。遅くなってしまい、すみませんでした」
気のきいたセリフなんてもの、真面目な少女には咄嗟に思いつかない。見ればわかるようなヒーローにはあまり似つかわしくない、しかし常に真面目で真剣で時には空回りもするこの少女らしさの溢れる言葉に、助けられた友人はちょっと微笑んだ。デュエリストというこれまで知らなかった一面も知ることになったけれど、目の前にいるのがまぎれもなく八卦九々乃であることを図らずも再確認できたからだ。
「ううん。ありがとう、八卦ちゃん。助けに来てくれて、ありがとう」
その一方で仲睦まじい少女2人を邪魔しないようにと少し離れたところに気絶した男2人の体を引きずって、さらにその体をどこからともなく取り出したロープで縛りつける清明。頭上の空は、まるで先ほどの勝利を祝福するかのように晴れ渡っていた。
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