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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
064話 文化祭編・一つの未来(02) 僅かな希望
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いつの間にかウチとせっちゃんは地面に膝をついてしまっていた。

「シロウに、会いたい……?」
「ウチ…士郎さんに、会いたい…会って無事を確かめたい」
「はい…! 私もです…!」
「皆はどう…?」
「このかと刹那さんの気持ちに及ばないかもしれないけど私も会いたいです!」
「アスナ…」

それから次々と上がる皆の声。
千雨さんも、

「私はそれほど面識はありませんが衛宮先生は一応の常識人サイドですからいなくなられては嫌です」

皆の意識は固まったみたいや。

「それじゃカモミール。カシオペアはどう?」
「今はただの懐中時計になっていやすが…まだなんとかなるかもしれねぇ。考えがありやす!」
「そう…よかったわ。それじゃ最後に私からコノカとセツナにプレゼントがあるの」
「「え…?」」
「これを…」

イリヤさんはそう言って私に一本の剣を。せっちゃんには赤い宝石をプレゼントしてくれた。

「あの、これは…」
「シロウの形見よ。死に際に託されたのよ」
「「士郎さんの…」」
「このかの剣は本当は『剣製の赤き丘の千剣』だけどシロウが最後にその形にしたのよ。
シロウが死んだ後も消えずに残ってくれたの。
そしてその剣の名はアゾット剣。魔術行使を補助する魔杖と呼ばれていて一人前の魔術師が持つにふさわしい剣なの。
だからもうコノカは一人前の魔法使い…これをうまく使いこなしてね」
「はい!」
「後、このコートを過去の私に渡して……」
「これは…?」
「悪魔祓いのコート。私の呪詛がこもった特注品よ。おそらくランサーの令呪を持っている私が狙われる可能性が大なのよ」
「わかりました」

せっちゃんはそのコートを大事そうに受け取る。
そこに楓が声を上げる。

「どうやら拙者達は見つかったようでござる」

外には先生が二人立っていた。
せっちゃんがいうには女性の方はせっちゃんと同じく神鳴流剣士でもう片方は西洋魔術師だという。
そこに待ってましたというようにランサーさんが槍を持って立ち上がる。

「みんな…まずはネギを助けなさい。きっと過去に戻れる道は見つかるはずよ。ここは私とランサーに任せなさい」
「イリヤさんは、戻らないんですか?」
「私は、もう無理よ……。こんな嫌な気持ちを抱いたままシロウに会わす顔がない…。それにあなた達が歴史を修正しても、もうこの世界は一個の平行世界として切り離されてこれからもきっと続いていくわ…」
「てしたらなおさら!」

せっちゃんがなんとか説得しようとしてるけど、イリヤさんはすべてに諦めがついてしまっているのか、首を振って「もう、いいの…」と言って、

「私の事はもういいから。あなた達は本来の時間に戻りなさい…。あ、シロウには私の事はあんまり伝えないでね
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