063話 文化祭編・一つの未来(01) 絶望
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――ッ!!」
放たれた斬撃の嵐は、しかし奴が放った是、射殺す百頭によって相殺されてしまった。
まさかこうも行動が読まれているとは!
「シロー!!」
「姉さんか!」
「加勢に来たわよ!」
「俺もまぜてもらうぜ!」
「気をつけろ。奴は思っている以上に強敵だ。だから二面攻撃で仕留めるぞランサー!」
「わかったぜ!」
そして俺とランサーが奴に仕掛けようとしたその時だった。
―――ザシュッ!
「………あ?」
「なっ!? マスター、なにを…!?」
なんだ、これは?
どうして…どうして俺はランサーの槍に…胸を貫かれているんだ?
◆◇―――――――――◇◆
「ゴフッ!?」
「し、士郎! マスター、なんの真似だ!? 令呪まで使いやがって…!」
「……………」
「姉、さん…? どうしてだ?」
そこには虚ろな目をしているイリヤが令呪を掲げていた。
「クスクス…どうしたのランサー。シロウをちゃんと殺さないと駄目じゃない?」
「グググッ!? てめぇ、マスターじゃ、ねぇな!?」
「しかたないなぁ…それじゃシロウの魔力、全部もらうね?」
「ぐ、あああああーーー!?」
「やめろマスター! あんたは士郎の姉貴だろうが!!」
ランサーは令呪の命令になんとか逆らいながら言うが効果はない。
そして士郎はそうしている間にも倒れて胸から大量に血を流している。
魔力がなければアヴァロンを起動することもできない。
それどころか心臓をゲイボルグで破壊されたために呪いで治らない。
するとイリヤの背後から突如として黒い塊が出現する。
それはイリヤから離れるとどこかへと飛び去ろうとしていた。
「て、めぇーかーーーッ!?」
ランサーは怒りに任せて疾駆する。
そして、
「刺し穿つ死棘の槍!!」
『ガッ…ククク、分身の私を殺したとて無駄なことだ。貴様に殺されたと見せかけてずっと潜伏していた甲斐があった』
「なっ!? まさかてめーは!!?」
『フフフ…さらばだ』
バシュッ!
謎の黒い塊はそこで消滅し、しかし…
「シ、ロウ…?」
「マスター…」
ランサーが見た先にはもう息もするのがつらそうな士郎によろめきながらも近寄るイリヤの姿があった。
目の前の光景が信じられないのか、いや信じたくないのか目はしっかりと士郎を映そうとしない。
そして士郎の顔を両手で抱えて、涙を流し、
「ウソ、ウソだよね…? 私がシロウを殺すように命じたなんて、ウソ、だよね…」
「姉、さん…泣かないでくれ…」
「……………」
ランサーはかける言葉が見つからなかった。
その代わりに拳を盛大に握り締めて血が地面に垂れた
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