061話 文化祭編・開催2日目(08) 衛宮家族
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「はい。多分もう少しで―――………」
「シロウーーー!!」
「来たようです」
姉さんは息を切らせながらやってきた。
そしてその表情は少し緊張の色が出ているがそれ以上に嬉しさのほうが上回っているようだった。
「はぁ、はぁ…やっと見つけたわよシロウ」
「君が士郎君の姉のイリヤちゃんかな?」
「あっ…キリ…ぅ、えっと、はい」
「まぁ! 本当にイリヤそっくりね! ね、イリヤ」
「うん、お母様!」
「すげぇ…イリ姉にそっくりだ」
「う…」
衛宮家族に少し押され気味の姉さんの姿がそこにあった。
「世界に似た人が何人かいるという話は聞くけどここまでそっくりだとまるで偶然じゃないみたいね」
「そ、そうですね…」
「姉さん、大丈夫か…?」
「だ…大丈夫よ、シロウ」
「でもお姉ちゃん、涙目になってるぞ?」
「こらシロウ! イリヤお姉ちゃんに失礼でしょ?」
「もうシロウは…それよりイリヤさん、大丈夫?」
「は、い…その、アイリさんが死んだお母様にそっくりで…つい…」
「そう…」
よく耐えているようだが涙目で見ていられないな。
そこでなにか気の効いたことを事を言おうとしたら、
「アイリ、イリヤちゃんの頭を撫でてやったらどうだ? もちろんイリヤちゃんが嫌じゃなければだがね」
「いいかしら、イリヤさん? なぜか私もあなたの事を放っておけないのよ」
「はい、大丈夫、です…」
「それじゃ…」
それでアイリさんは姉さんの頭をまるで自分の子供のようになで始めた。
それにされるがままだった姉さんの目には涙が零れていた。
「ちょっと、いいかな? 士郎君」
「あ、はい」
「どっかいくのか、親父?」
「ああ、ちょっと士郎君に聞きたいことがあるんだ。少し待っていてくれ」
「わかった」
それであまり人が来ないところまでいくと切嗣は話を切り出した。
「さて、士郎君」
「何でしょうか?」
「少し話す前に僕の知り合いにね、性は遠坂っていうんだけどね」
「!?」
「その顔だと…いや、今はいいか。それでね、表向きは宝石商をしているが裏の顔ではやはり魔法使いで、それにある魔法の研究をしているんだ」
「その研究とは…?」
「平行世界の移動…という大それたことさ。そんな魔法はこの世界には存在していないからいつか完成させるんだと息巻いている」
「そ、そうですか…」
「変な話をしたね。それで本題だけど、もしそんな魔法を使える人物がいてそれを受けた者がいたとしたら、どうだろうね?」
「なにを、いいたい……?」
「簡単なことさ。実験に付き合ってもらうに決まっているじゃないか」
笑顔を浮かべながらも恐ろしいことをさらっと衛宮切嗣は言った。
「ッ!!」
気づいたときには投影をする一歩
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