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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
059話 文化祭編・開催2日目(06) まほら武道会・本選開始 その6
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が見えていた。

「そこっ!」

カンッ!

竹刀とデッキブラシがあたる乾いた音が響く。
左からの袈裟切りか! しかし重い! やはり強化の魔術を使っているようで身体強化も相まって威力はかなりある。

「やはり受け止められるか。こちらから柄もなく攻めはするものではないな」
「いえ、いい打ち込みでした。才能がないというのは嘘のようです」
「それはどうも」

弾くと今度はこちらから瞬動をして背後に入りしかける。
しかし後ろ向きのまま士郎さんは竹刀だけで防いで見せた。
そうではないと!
いつもの稽古で一本も碌に取らせてくれないのだから当然だ。
そこからは何度も得物を打ち合う事を繰り返す。

『おおっと! 先ほどの試合のようです。ですがスピードが段違いです。あまり見えません!』

朝倉さんの言葉があまり聞こえてきません。
一瞬でも気を抜けば意識を刈り取られてしまうのは明白だ。
その最中、

「ふむ、腕をあげたな刹那。やはりランサーとの命がけの稽古が効いているようだな」
「はい! 士郎さんの動きが今はまだ見えます」
「そうか。では俺本来の仕様に移るとしよう…刹那、俺の防御の陣を崩すことができるか?」

そう士郎さんが言った途端、いつものごとく戦闘スタイルが変わり士郎さん本来の形、守りの型が姿を見せた。

『おっと衛宮選手! 突然動きを止めたと思ったら腕を垂らしているぞ! これはどういったことだ!?』

「………やはり、隙があるように見えて返って不自然に隙がありませんね。ですが仕掛けていただきます!」
「こい! いつもと違い片手だからと油断しないようにな」
「いきます!」

そこから私は全方位から何度もデッキブラシを当てにいきますがそれらは悉く弾かれてしまう。
反動で軌道がそれてしまった時に狙ったように返しの刃が帰ってきてしまう。
これが突破できねば勝機はない!
だけど今度こそ突破させていただきます!

―――斬空閃!

真空の斬撃を放つ。
だがそれらは強化された竹刀に弾かれてしまった。
さすがです! ですが!

―――百烈桜華斬!

これでどうですか!
だが士郎さんはそこで初めて円で保っていた足を動かした。
見れば淡い空気が士郎さんの体を纏っている。
おそらくこれは錬鉄魔法【風】。
足も使っての連続攻撃で幾重にも重なった私の斬撃を防ぎきった。

「さすがだ、俺にこれを使わせるとは。ならば…受けてみるといい!」

!? 士郎さんの手の動きが見えない! あれが属性ゆえの効果か!
気づいた時には私はお腹になにかの塊を打ちつけられたかのような衝撃を受けて舞台に転がっていた。
すぐに体勢を立て直して立ち上がったが、おそらく今のは風圧を塊にしてぶつけてきたのでしょ
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