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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
058話 文化祭編・開催2日目(05) まほら武道会・本選開始 その5
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いるがないものねだりしてもしょうがない。
やるか。

『おっとなにやら衛宮選手、地面が抉れるなにかの攻撃から避けているようですが一体会場でなにが起こっているのでしょうか? これはもしかして念力!?』

とかく避ける行動に専念していると突如エヴァが接近してきて俺の腹に右ストレートを決めてきた。
強化で腹をガードしたからなんともないが接近を許すとは情けない。
即座にそこから離れたが拳に糸が巻き付いていたのか俺の胴体に糸が巻かれていた。
それは強化した手刀ですべて切り裂いたが…やりにくい。

「ふふふっ…なかなか鋭いではないか。そうでなくては!」

瞬間、エヴァの手から黒いなにかが飛び出してきた。
おそらくエヴァの属性である虚数魔術によるものだと思うがここまで影を使いこなしているとは、こいつも天才だな。
だが!

「ふっ!」

手刀でそれを弾き瞬動で背後に接近し拳を腹に当てる、があたる直前で糸に絡まれてしまっていた。
背後にも展開していたか。やばい!
そう思った瞬間には掌が俺の顔にぶつけられていた。

「がっ! 合気道か! くそ、ならば!」

跳ね飛ばされたと同時にそのまま後方まで体を流し距離を置き、

「(属性、付加(エレメントシール)“雷撃”(ヴォルト) ……魔力、装填(トリガー・オフ)――全魔力装填完了(セット)!)」

次の瞬間俺の体に淡く雷がまとう。
錬鉄魔法【雷】。これにより瞬発力とスピードをあげる。

「そうだ。そうでなくてはな!」

エヴァもなにやら黒い衝動を背後にまとい瞬動をしてきた。
それからは高速戦闘になった。


◆◇―――――――――◇◆


Side 桜咲刹那


士郎さんとエヴァンジェリンさんは何度も瞬動を行使して高速で拳をぶつけあっている。
それにしてもすごい…。エヴァンジェリンさんは魔術の力を手に入れたというがもうすでにものにし始めている。
士郎さんの拳を受け止めていることから強化は十分。そしておそらく錬鉄魔法を行使しているのにそれにもついていっている。
もしここがこういった舞台でなければお二人はどのような戦闘を演じていたのだろうか。
私が色々考え込んでいる中、背後からある人の声が聞こえてきた。

「しっかりと見ているわね、刹那」
「せっちゃーん!」
「え!?」

そこにはなぜかイリヤさんとランサーさん、それにお嬢様がいた。
なぜここにいるのか。

「なぜかって顔ね。エヴァにあることをやるからこっちに来てこいと言われていたのよ。今はシロウ達の試合にみんな夢中になっているんですぐに入ることができたわ」
「イリヤさんにランサーさん!? それにこのかも!」

アスナさん達も驚いているようだ。
それも当然か。

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