056話 文化祭編・開催2日目(03) まほら武道会・本選開始 その3
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ッ…まだあのボウヤには過ぎた助言だな?」
「そうかな?」
「当たり前だ。あれは貴様が長年の実戦で得た戦闘理論だろ? まだ十どころか数回しか実戦をしたことがなく敗北の味も碌に味わった事が無い…それで理解しろと言うのも酷だな」
「ふっ、まぁな。だが常に考えることはやめてはいけないと思うぞ?」
「…まぁな。まあいい。ならお前との試合…せいぜいお前のその戦いで私を楽しませろよ?」
「ご期待と在らばな」
お互いに不敵に笑いあい朝倉のアナウンスの声で前に向き合った。
そしてタカミチとネギ君が舞台に上がった途端に試合を始める前だというのに武道会内の観客の歓声は一際高くなり、舞台を焦点に衆目を集める。
当然と言えば当然だがさすがにただの一般人達には結果は見るよりあきらかという様な評価があちこちから聞こえてくる。
そんな中、そんなことはどうでもいい! と言わんばかりに朝倉が実況を続ける。
『それでは皆様お待たせいたしました、第六試合をまもなく開始させていただきますっ!!』
刹那や楓、その他の面々もどうやり合うか言い合っている。
エヴァは小太郎に瞬動の事について「フッ…」と微笑を浮かべている。どうやらエヴァも楽しみのようだ。
さて、あれからどれほど成長したか見させてもらおうか。
そして朝倉の『Fight!!』という掛け声とともに先に動いたのはネギ君。
どうやら小太郎の助言どおり顎を守りながらも瞬動をして、それは見事に成功。
しかもタカミチの居合い拳をギリギリ弾くという成果を発揮した。
小太郎やカモミールもネギ君が瞬動に成功したことに驚いている。しかも二連続とくれば驚きは倍だ。
そしてどうやらネギ君も居合い拳の射程距離をすぐに読んだらしくタカミチに常に着かず離れずの戦法を取っている。
「…驚いたな。あのネギ君が積極的にタカミチに攻めていくとは」
「まぁな。だがそれで正解だ。実力が違いすぎるのは百も承知。距離を取ってもジリ貧…つまり今のボウヤは恐れを克服して『わずかな勇気』で挑んでいることだろう」
俺の一人呟きに隣にいたエヴァが律儀に応えてくれた。
しかしなぁ…やはりというかなんというか…
「うーむ…しかしだな」
「どうした、士郎?」
「いや、なにね? 予想していたことだがネギ君はおそらく今の全力で挑んでいるのだろうが、タカミチのやつ…実力を全然出していない。見ていて惨めに思えてくる。しょうがないといえばしょうがないが…」
「奴の悪い癖だ。当分はボウヤの成長具合を味わいたいと言うところだろう? 半分でも本気をだせば一瞬だと言うのにな…」
「ケケケ…見テテツマンネェナ。デキレバ血ノ雨希望ダガナ♪」
「それはまずないだろう? ま、そのうち展開は変わるだろうから今は静かに見学していよう。む? どうやら
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