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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
056話 文化祭編・開催2日目(03) まほら武道会・本選開始 その3
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そして二人の間でパァンッ! と弾ける音がした。
どうやらタカミチも一瞬だけ放ったらしい。眼で追った限りは通常よりかなりダウン気味の威力だが…。
それにより小太郎はなにかを掴んだらしく感心の表情を浮かべていた。

「高畑先生にいきなりなにやってんのよ!!?」
「ちょっ!? アスナの姉ちゃん、今のが見えたんかい!?」

タカミチと小太郎とのほんの一瞬のやり取りを目で追うことが出来たとは…。動体視力は一体いくつだ?
やはりなにかマジックキャンセラーも相まって秘密があるかもしれないな。
しかし、いかんせん情報がないので探りようも無いが…。学園長あたりに問いただせば何か吐くかもしれないな?
俺自身のネットワークも魔法世界にまで広がったことだし事が落ち着いたら色々と情報収集してみよう。

それからタカミチとは古菲の怪我やたわいも無い会話のやり取りをして、次のネギ君とタカミチとの試合の話になってアスナは泣きながらも「高畑先生を応援します!」と言って背筋を伸ばしていて小太郎やカモミールに呆れられていた。
そしてアスナ達と別れた後、タカミチと二人になったのを見計らって、

(タカミチ…少しいいか?)
(小声と言うことは何か情報を掴んだのかい?)
(いや、確実性でいけばまだ断定はできないが少なくとも龍宮は超鈴音側についていると思われる)
(…士郎もそう思うかい? 古菲君との試合後、倒れていたはずだったのに目を離した瞬間姿を消していたからね)
(そうだ。だから要注意しておいた方がいい。こう人が多いと気配も探れんからな)
(分かったよ)
(俺からは今の所は以上だ。あっと。それとは別に…次の試合、なんともいえないが頑張れと言っておく)
(ありがとう)


◆◇―――――――――◇◆


タカミチを見送った後、朝倉の舞台修理完了の報告が聞こえてきたので選手控え席に遅れて着くとなにやらネギ君は皆から助言を受け取っていた。
エヴァは不敵に笑いながら「実力の差は歴然…だが、とにかくぶつかってこい」と。
他にも楓や刹那、古菲に小太郎と言葉をもらい、最後にどちらを応援していいか未だに迷っているアスナに「がんばって…」と親指を立てられていた。
それにネギ君は精一杯の声で答えて会場に足を歩みだした。
だから俺もなにかいっておこうと思い静かな声で、だがネギ君に響くように、

「…ネギ君。エヴァ同様勝ち負けにどうこう言うつもりはないが、ただ勝ちたいならば常に相手――タカミチ――の次の行動を幾重にも考えどう行動するかを心がけろ。
1%でもいい…勝てる可能性を意地でも手繰り寄せれば勝機はおのずと訪れる」
「…―――はい、士郎さん!」
「いい返事だ。さあ行ってこい」

ネギ君を送ると後ろからエヴァが話しかけてきた。

「フン
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