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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
055話 文化祭編・開催2日目(02) まほら武道会・本選開始 その2
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攻撃!! 羅漢銭の連打。まるでマシンガンのようだーーっ!』という朝倉の言葉どおり、まるでマシンガンのごとく古菲が避けた硬貨は地面を削っていく。
しかし古菲はこのままではジリ貧だと思ったらしい。
「ほいっ!」という掛け声とともに呼吸を整え立っていた場所から瞬時に龍宮に接近した。
そして肘鉄をしたがそれはいとも容易くかわされた。だがそれで終わりではなくすぐさま体制を変えて龍宮の腕を掴み、懐に入り込んだ。

「やった!! 接近戦!!」
「今の瞬動か!?」
「いえっ、あれはおそらく八極拳の活歩という……」

ネギ君達が古菲の接近におおいに盛りあがっているところ悪いと思ったが、

「―――いや、判断を誤った。もっと慎重にいくべきだったな」

俺の静かな声に、でも全員は振り向きすぐさま古菲の方を見た。
そして龍宮は言った。
曰く、

―――私に苦手な距離はない

と、同時に古菲の顔の下から覗かせた一枚の硬貨によってまるで古菲は人形のように空に打ち上げられた。
周囲はどよめき、ネギ君達も騒ぎ出す。
しかし気にする素振りも見せず龍宮は手を抜かず立ち上がろうとした古菲の体の追撃としてあちこちに硬貨をぶつけていく。
それによって次々と痛手をもらう古菲に周囲から非難の声が聞こえるがやはり龍宮は力を緩めない。
そしてついに横になって古菲は倒れてしまった。
さすがの古菲ももう諦めの目になっている。
…どうやら負けを認めようとしているようだ。
しかしそこでネギ君から、

「くーふぇさん! しっかりーーッ!!」

という激励の声とともに古菲の目に再び光が宿る。
そしてネギ君以外の観客、選手ともに続いて声を上げだす。
…完全に悪役だな、龍宮。
そこでとどめとばかりに龍宮は硬貨を打ち出したがそれは突如すべて弾き落とされた。
なにが起こったかというと古菲は腰につけていた長めの布を使いすべて弾いたのだ。
さすがの龍宮も目を見開く。
それが油断に繋がり古菲は布を自在に、まるで蛇のようにしならせて龍宮の腕と顔を同時に拘束した。

「フフ……ようやく捕まえたアル……弟子の前で情けない姿は見せられないアルヨ」

古菲はそういって額から流れる血を舌で舐めながら言い切った。
思わぬ逆転だな。あれはただの布ではないと思っていたが最後の切り札みたいなものか。
まるでマグダラの聖骸布……………考えるのをよそう。頭の中に“…ゲット”という単語が響く。
それはともかく、

「古菲はアレを最後の手にするようだな」
「ええ。もうまともに体を動かすことはできないでしょうから…」

俺の呟きに律儀に返してくれる刹那に感謝しながらまた目を向ける。
すると巻きつけられた布はすぐさま龍宮によって硬貨で破られた。それによって周囲がまたざ
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