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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
053話 文化祭編・開催1日目(03) 錬鉄魔法専用武器完成
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が先に動いた。
俺もそれにすぐに反応して地を蹴った。


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮イリヤ


最初は準備運動だけだといったけど…もう二人とも真剣になっちゃっているわね。
それもそっか。シロウはともかくランサーは殺す、殺さないでいえば限りなく殺す戦いをしているから。
二人はもうそれは人ならざるスピードで剣戟を繰り返している。

「はっ! おもしれーじゃねーか! あの夜以上の動きしてるぜ!?」
「だがまだまだ干将・莫耶と錬鉄魔法との連動率が荒いし基本骨子の想定もまだ甘い。もっと研鑽をつむべきだな…」
「そーいうな! 俺の急所を狙った突きをことごとく砕けず防いでいるその武器は今までのより遥かに出来はいいぜ! そらよ!」
「お前に褒められるとは光栄だな…はっ!」

…もうシロウはアーチャーを越えているのかもしれない。
英霊エミヤはもとの世界で成ったシロウの果ての姿。
それに反して今のシロウはもうこの世界に馴染みつつある。私もそうだけど。
抑止力も存在しないこの世界ではシロウは守護者になることもきっとない。
だから後は私達がシロウを独りにしないよう心がけなきゃ…。
最果ての丘の上なんかに行かせないんだから!

「…おいイリヤ。物思いに耽っているのもいいがそろそろあいつら二人を止めろ…。剣戟音がやかましくてたまらん」
「俺モ参加シテイイカ…?」
「はわー…まったく見えへん。士郎さん達ほんまにすごいな、せっちゃん」
「そうですねお嬢様。私もおぼろげでしか見えません。まだまだ精進が足りませんね…」
「ホントすごいわねー…士郎さんにランサーさん」
「やっぱり士郎さんと最初に当たらなくてよかったかも…」
「なに言うとるんや、ネギ! 士郎の兄ちゃん達は今の俺の目指す道の一つやからむしろ当たった方がよかったで!?」
「目指す目指さない云々はいいとして…あの二人ホントに人間か…? あ、ランサーの旦那は英霊か。しかしそれとタメはる士郎の旦那がおかしいのか?」

そろそろ周りも騒がしくなってきたので私は二人を無理やり止めていったん終了させた。
…その時のランサーの恨みのこもった眼差しは後味が悪いからすぐに忘れることにしよう。
それとネギ、私はエヴァからある指輪をもらった。(ちなみにコノカとシロウもその後にもらったという)。
なんでも杖を使わなくてもこれがあれば魔法が発動するという優れものらしい。
……あ、そういえばまだ私専用の杖がなかったわね? 学園祭が終わったらシロウに作ってもらおう。
そしてそれから別荘での一日を有意義に過ごさせてもらった私達は二日目の学園祭へと足を運んだ。



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