30 夏のプール授業
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」
「杉山君に見惚れてんでしょ〜?」
「そ、そんな事ないよ!!」
かよ子は慌てて否定した。後退りすると、丁度そこで泳いでいたブー太郎とぶつかってしまった。
「あ、ブー太郎、ごめん!」
「気をつけろよブー」
(はあ、またおっちょこちょいか・・・)
かよ子は己に呆れた。異世界からの襲撃者を撃退した事があってもおっちょこちょいは結局は治らぬままである事に。
「まあ、まあ、かよちゃん。気を取り直しなよ〜」
「そうだよ、杉山君だってきっとかよちゃんの事見直してるよ!」
一緒にいたたまえもかよ子を励ました。
「う、うん。そうだよね・・・!!」
その時、ホイッスルがなった。
「そこ、お喋りが長いぞ!ちゃんと泳げ!!」
三人は体育の先生から叱られてしまった。
「ご、ごめんなさ〜い!」
かよ子は持っているビート板で泳ぎ続けた。少しして体育の先生は皆にタイル拾いのゲームをやらせた。
かよ子はタイルを水の中に潜り、プール内のタイルを探す。そして、一枚見つけた。
「あ、あった!」
その緑色のタイルは彼女にとってやっと見つけたタイルだった。かよ子はタイルを拾い上げた。と、その時・・・。
「やるな、大野!もう4枚もとったのかよ!」
杉山の声が響いた。
「おう、お前も3枚じゃねえか!」
「よし、逆転してやるぜ!」
ちなみにこの時かよ子は杉山の声で振り向いた隙にタイルを手から放してしまった。
「あっ!」
かよ子はまたおっちょこちょいをやってしまった。結局自身は落としたタイルは拾えずに終わってしまった(ちなみに大野と杉山はそれぞれ5枚も拾っていた)。
「よし、そろそろ終わりの時間だ〜!」
体育教諭が皆にプールから引き上げるよう命じる。かよ子はプールから出た・・・、と思いきや、プールサイドのはしごから足を滑らせてプールの中へ落ちてしまった。
「かよちゃん、大丈夫?」
かよ子の次に上がろうとしていたとし子が心配した。
「う、うん、大丈夫だよ・・・!」
運の悪いことに、その醜態は好きな男子に見られてしまった。かよ子はその後、杉山から呼ばれた。
「よっ、山田。相変わらずのおっちょこちょいだなあ!」
「す、杉山君・・・!」
かよ子は自分がみっともなく見えてしまった。
「でも、それがお前らしいかもな」
「う、うん・・・。でも、絶対におっちょこちょい治してみせるよ・・・!!だって、いつも杉山君達に頼ってばっかりじゃ悪いし・・・」
「山田・・・」
杉山自身もかよ子が自分を変えようと努めている事には気づいていた。その時、冬田の声が聞こえた。
「大野くうん、泳ぐ姿かっこよかったわあ〜」
冬田は大野にくっつこうとしている。
「ああ、サンキューな、冬田・・・」
冬田の猛アタックに何も言えないかよ
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