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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
050話 幕間2 従者達の修行(後編)
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香が唱えた途端、刹那を淡い光が包み込んで見る見るうちにこの七日間でできた傷はすべて塞がった。
それを間近で見ていた刹那は驚愕の表情をした。
修行で別れる前と今の木乃香の姿がとても違うように見えたからだ。
そしてなにより今唱えた呪文で七日前まで遡る傷をすべて塞いでしまった木乃香はもう治癒術師として一人前くらいの腕を持っているのだから。

「お、お嬢様…この数日間ですごい成長なされましたね」
「それはせっちゃんもやで? ランサーさんから一本取れたんやから凄いことや」
「そうだぜ? 俺も本気は出せなかったとしても手だけは一切抜かなかったからな」
「ふむ。木乃香もそうだが刹那も相当腕を上げたようだな」

エヴァはそう呟き、ふと木乃香の方を見た。
それに木乃香は?マークで返すが、

「そういえば木乃香。イリヤはともかくとして貴様はこの極寒の中寒くないのか?」
「大丈夫やえ? 今は耐寒障壁を全身に巡らせているからなんとか平気や」
「…すごい成長したわね、コノカ。さすがにあの本の力は絶大ね。あ、もちろんコノカの努力も相当のモノだったわよ?」
「ありがとなー、イリヤさん」

屈託の無い笑顔で木乃香はイリヤの言葉に感謝の意を返した。

そしてネギや明日菜の目を掻い潜り言い訳もふんだんに使用してした修行の成果もあり士郎が帰ってきて驚かそうというイリヤの案に木乃香は笑顔で賛成。刹那は少し遠慮がちながらも賛成した。
それから別荘を出て寮に帰ろうとしていた二人に後ろからエヴァの声が聞こえてきた。

「木乃香に刹那。一応伝えておくが私がいいというまでネギのボウヤ達にはお前達のやっていたことは話すなよ?
覚悟も何も無い奴等にはまだもったいないものだ。
だから特に木乃香。魔法が自在に使えるようになったという事をまだ悟られるな。あの小動物が一番勘が鋭く気づくかもしれん。目立った行動は控えろ。いいな?」
「わかったえ。ようは魔法をエヴァちゃんが良いというまで派手に見せんようにしろってことやろ?」
「物分りがいいではないか。その通りだ。刹那もうまくフォローをしておけ」
「わかりました」
「さて、私が言えることは以上だ。だがまだまだ修行は序の口だ。ボウヤ以上に厳しくしていくから覚悟をしておけ!」

二人は「はい!」と答え、帰っていった。
その際にエヴァはイリヤに向けて、

「あの二人…本当に化けたな。これからが実に楽しみだ♪」
「そうね」


そして士郎は帰ってくるなり修行の成果を見せられ、目を凄く見開いていたのは後日談である。
さらに士郎は単身、訳もわからず刹那達の修行していた空間に一週間放り込まれて帰ってきたときにはかなりやつれていた………南無。



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