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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
049話 幕間1 従者達の修行(前編)
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本人からしてみればいい迷惑だ。
現実に味わった苦しみをただの言葉だけで片付けられてしまうのだからな」

その言葉に二人は深い衝撃を受けた。
そう、確かにエヴァの言うとおりだったのだから。記憶を見たからといって実際に体験したわけではない。
士郎の苦しみは癒す術は無い。士郎以外は誰も生き残っていないのだから理解してもらえる人もいない。
ただ同情されるだけ。それ以上は他人事として踏み込んでくるものは少なくただただ一人で苦しみを背負っていくことだけ。
士郎はそうやって今まで生きてきたのだ。すぐに理解しろというのも酷だが軽率だったと感じざるえない。

「…話が逸れたな。して刹那。貴様に問う。貴様は幸せになれると思うか? 私と同じ人外の身の上で…」
「!?」
「ッ! エヴァちゃん!」
「コノカ! 今は黙っていなさい!」
「せやかて……ッ!?」

そこでこのかは気づいた。いや、もう知っていた。
イリヤも刹那と同様に人外の生まれだということに…。
それで黙ることしか、出来なかった。
エヴァの問いはイリヤにも向けられているようなものなのだから。
しかしそこでエヴァの雰囲気が少し和らいだ。

「イリヤもそうだが、生まれた時から不幸を背負っているお前には共感を覚える…」
「え? それはどういう…」
「以前に聞いた真祖になったのは先天的ではなくて後天的っていう話に関係しているのかしら?」
「イリヤ、覚えていたか…」
「まぁね」
「え、エヴァンジェリンさんは最初から真祖ではなかったのですか!?」
「そうだ。だから言える。そしてもう一度聞こう。貴様等二人は今有り触れている幸せを捨ててでも士郎に着いて行くと胸を張って言えるか!?」
「「………」」
「答えられまい? 当然「ですが…!」だ、ってなんだいきなり?」

刹那に言葉を遮られて幾分エヴァは機嫌を悪くしたが、しかし刹那の言葉を聞くことにした。

「修羅の道…そして幸せな道…どちらも私は捨てることはしません」
「なんだと…?」
「ウチもや。確かに士郎さんとイリヤさんの進む道は険しいものかもしれへん。やけど士郎さん達は自身の進む道と一緒に幸せの道も探そうとしてるんや!」
「コノカ…」
「だから、ウチは…」
「私は…」
「「士郎さん達の進む道に着いて行くと同時に、幸せの道も一緒に探す手助けがしたい!」」

同時に二人は言い切った。
それに端で聞いていたランサーは「ヒュ〜♪」と喉を鳴らして思わず拍手でもしてやろうとしていた。
だがエヴァは怒りを顕わにして、




「ほざけガキ共が! 甘ったれの貴様等にそれができると本気で思っているのか!?
さらに言わせてもらうが士郎とイリヤとランサーにとって貴様等はただのお荷物になるかもしれないのだぞ!!?

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