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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
041話 悪魔襲来(後編)
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文は完成した。
それにより膝をついていたランサーの体から魔力があふれ出し、ゆっくりとゲイボルクを持ちながら立ち上がり、

「ランサーの名に懸け誓いを受けるぜ……!お前を新たな我が主として認めよう、イリヤスフィール!」

契約は完了された。
だが、もう俺も姉さんも魔力残量はゲイボルクの影響で残りわずか。
投影もままならないので俺は代わりに『剣製の赤き丘の千剣』を構え言峰を倒そうと身構える。
だが、それは自我を取り戻したランサーによって遮られる。

「おう、坊主…いや、もう士郎と呼ばせてもらうぜ。奴の相手は俺に任せろ」
「任せてもいいんだな?」
「誰にもの聞いてやがんだ? 長年の間、俺をとことん苦しめた言峰に止めを刺すのはこの俺だ!」
「わかった。正直、もう立っているのもやっとだから任せる…」
「おうよ!」

俺はランサー契約の際に横に倒れてしまっている姉さんのところに行き、

「大丈夫か、姉さん…」
「駄目ね。正直今はランサーに魔力を送るのが精一杯ってところ…」
「そうか。だが、もうランサーは負けないだろう。なにせ顔は笑っていたが目は底冷えするように怒りに満ちていた…」

そう、ここまでされてただでは終わらせないのがランサーだ。

「私に歯向かうか、ランサー?」
「はぁ? なにいってんだ、テメェ? もう俺とてめぇを縛るものは何もねぇ…よってここ数年何度も夢見た貴様を殺すという願いをここで果たす!」
「ふん、そうか。では私も相手をしよう。『この世、全ての悪(アンリ・マユ)』…!」

言峰はランサーに向けて泥を放つ。あれはサーヴァント全員には天敵とも言えるものだ。
触れただけで悪夢の中で溺死するだろう。
だがランサーはまるで紙を貫くようにその泥を払った。

「なに…? どういうことだ!? なぜ、サーヴァントである貴様にこの泥がきかん!」
「忘れたのか、言峰? てめぇは俺になにを飲ませたかを…」
「まさか…!」
「そう。もう俺にはそんなものは通用しねぇよ! この世・全ての悪だ? はっ! そんなもんはくそくらえだ! それより…いくぜ! その心臓…貰い受ける!!」

ランサーは槍を構えて魔力を集束させていく。
それで実感する。やはり先ほどのランサーは本気ではなかったことを…。
そして充填が完了したのだろうランサーは今まさに戦慄の顔をしている言峰めがけて疾駆して、

刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!」

対近接でのゲイボルクの真名を解放し悪魔姿の言峰の心臓を貫いた。
それによって心臓を破壊された言峰は哂いながら、

「まさか、飼い犬に噛まれるとはな…私も運がない、な…」
「無駄口叩いてねぇで…さっさと消えうせろ!」

ランサーは槍を引き抜き追撃とばかりに言峰を滅多刺
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