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ドリトル先生の林檎園
第十幕その十二

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 先生達は優花里さんが造って由佳さんの退院祝いにしたアップルティーやアップルパイを食べました、それがとても美味しくてです。
 先生は林檎園を後にして今度はスキー場の近くにある温泉街に入っていましたがその温泉巡りの中で皆に言いました。
「いや、よかったね」
「そうだよね」
「優花里さんのアップルティーとアップルパイもね」
「凄くよかったね」
「本当に美味しくて」
「それでね」
「由佳さんも喜んでいたね」
「そう、だからね」
 それでというのでした。
「由佳さんも喜んでくれていたね」
「優花里さんの気持ちも伝わったから」
「だからだよね」
「とても喜んでくれたね」
「そうだったね」
「優花里さんが造ったものは優花里さんの気持ちが篭っていたから」
 お友達を想うそれがというのです。
「とても美味しかったんだ」
「そうだよね」
「とてもいいことにね」
「だから由佳さんも喜んでくれたし」
「それを見た私達もね」
「笑顔になれたね」
「他の人の幸せは見ている人も幸せにしてくれるよ」
 先生はこの言葉も出しました。
「見ているだけでね」
「幸せはその人のものだけじゃない」
「そういうことよね」
「笑顔を見てると自然に笑顔になったらね」
「それで幸せになれるから」
「そうだよ、それで幸せになれる人は」
 他の人の幸せを見て笑顔になってです。
「素晴らしい人だよね」
「身近な、何でもない様なことでもね」
「幸せになれるならいいよね」
「些細なことかも知れないけれど」
「そこから幸せになれるなら」
「そう、本当に幸せは身近にあるものだよ」
 先生は温泉街の中で次に入るべき温泉を探しつつ言います。
「今の僕達だってそうだね」
「そうよね、温泉に入られてね」
「とても幸せな気持ちだし」
「温泉に入るだけって言われても」
「それで幸せならね」
「いいことだね」
 皆も頷きます、そうしてでした。
 先生はこの時も幸せを感じていました、それもお互いの笑顔を見てさらに幸せになるというどんどん上がっていく幸せでした。
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