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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
039話 記憶を見た皆の反応
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姉さんは俺の胸で大泣きしていた。

「ごめんね、ごめんね、シロウ…! 私、絶対シロウのことを一人にしないから…だから勝手にいなくならないで!」
「ああ…約束する。俺は絶対に皆の前からいなくなったりしない」

それからこのかと刹那の二人も姉さんに加勢したり、チャチャゼロになぜかしきりに感心されたり、エヴァもなにやら茶々丸とともに一度その場を離れて戻ってくると目を赤くしていた。
そしてエヴァはそれを悟られまいと言葉を摘むんだ。

「なら、最後に聞く。お前達はどうやってこの世界に渡りついたんだ? イリヤに聞いたが世界の移動は五つの魔法の一つと聞くが…」
「…それか。そうだな…度重なる逃走と連戦によって魔力も体力もほぼ限界状態…それで俺達が死に掛けていたところに突然師匠であった遠坂と橙子さんが助けにきてくれたんだ。
橙子さんは元の体は協会に引き渡し俺たちが死んだと見せかけるために俺達の人形をまた作ってくれていた。
しかも今までで最高の出来らしく何年かかるかわからないが俺も戦闘者としての体になれるものを。
さらにセイバーに返したはずの聖剣の鞘『全て遠き理想郷(アヴァロン)』を探し出して二人分に分けて埋め込んでくれた。
今頃は協会の奴等も俺達の体に魔術回路が残されていないことに戸惑っている頃だろう?」
「だろうな。すでにもとの士郎達の体は何の力も残されていない骸と化しているだろうからな」
「…そして遠坂は試作品だが第二魔法に到達していたらしく『宝石剣ゼルレッチ』を使い俺達を異世界に飛ばすといった。飛ばす直前にだが、『正義の味方もいいけどまず自分の幸せも考えなさい。最後の師匠命令よ!』と言って…」
「それであとはセツナが知るとおり真夜中に妖怪達と戦っているセツナの上から私達は降ってきたっていうわけよ」
「…そうだったのですか。士郎さんはいい師匠にめぐり合えたのですね…」
「ああ。遠坂は最高の師匠だった…だからその遠坂と橙子さん…他にも俺達を生かしてくれた人達の想いを無駄にしないためにも、その答えを見つけるべく幸せというものを知らない俺と姉さんは今もそれを探し続けているんだ」
「そうね。それにトウコの伝言でアヴァロンの副産物で老化の遅延と自動回復がついたからじっくり探していくつもりよ」
「…ん? しかし…京都では士郎は重症を負ってしまったではないか? ならばあれはイリヤが士郎に魔力を流せばすぐに治せただろう…」
「それは、みんなに異常な回復を見せたくなかったから渋ってしまったのよ。シロウが人外扱いされるかもしれないかと思ったから…」
「それなら納得だな。今のぼーや達に聖杯戦争のような超回復…いや、あれはもう復元の域に達しているものは見せるには早すぎるからな」

そう言って納得したのか頷いていたエヴァ。

「…そういえば。
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