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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
034話 エヴァによる修行風景
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ネギじゃ普通に負けるでしょ?」
「はい。茶々丸さんに助けてもらったのでなんとか脱出することができたです…そうです! 士郎さんなら!」
「悪い、綾瀬…俺はドラゴン退治には協力はする気はない」
「ど、どうしてですか!? 士郎さんなら倒せるかもしれないでしょう?」
「その気があればな…だがな、綾瀬。一つ聞くがドラゴンを倒すという事はどういう意味かわかるか?」
「え…? そ、それは…」

綾瀬はなにやら考えているが回答に至らないようだ。
当然だ。もとは魔法も裏の世界も知らなかったただの中学生なのだから。

「それじゃユエ、一つ謎かけをするわ。そのドラゴンを人間に置き換えて考えて見なさい。そうすればすぐにシロウの言っている意味が分かるわ」
「人間に置き換える……はっ!」
「わかったようね…そう、ユエは今とても軽はずみな発言をしたわ。倒すということはイコール殺すということよ。それもただ偶然そこに暮らしているドラゴンの住処に押し寄せて…それじゃただの殺人者と同義よ。
だからシロウは協力はしないといったのよ」
「わ、私はなんて愚考な事を言って…!」

綾瀬は姉さんによって現実を突きつけられて相当参っているようだ。
さすがに俺も見ていていい気はしないので綾瀬の頭に手を置いて、

「わかればいいんだ、綾瀬。そうすればお前はこれを教訓にまた一つ人間的に成長できる…ただ俺が言えることは理由もなき争いからは何も生み出さないということだ。そして変わりに残るのは悲しみ、憎しみ、恨み…上げたらキリがないがたくさんある。だがお前はそれを未然に防げたんだ」
「ですが。わ、私は…」
「自分で言ったことがそれほど重みになるのならその重みをずっと胸に抱いていた方がいい。そうすれば過ちはきっと回避できる。そしてそれから倒す以外に新たな解決案を導き出すんだ」
「倒す以外の選択…」
「そう、殺さずともいい選択を…」

それから綾瀬は少し元気が出たのか俺と姉さんに何度もお辞儀をして宮崎達とともに寮へと帰っていった。その横顔からは先ほどの影はなくなっていたので安心した。

「…人を諭すようになるなんて成長したわね、シロウ?」
「いや、ただあのような姿は見ていて気持ちがいいものではないからな。俺のただの我侭だ」
「ふふ…でもいいじゃない。さっきまでのユエの顔は後悔で一色だったからシロウの言葉はきっと届いたわ」
「そう願いたいものだな。さて、後問題は…」
「そうね」

俺達と綾瀬が会話している間になにかしら騒動があったのかネギ君とアスナが口げんかをしている。
止めようと思ったがネギ君は女性にとって禁句ワードを連発してしまいハマノツルギ(ハリセン状態)を発動…ネギ君の防御魔法もぶち割って吹っ飛ばした後、そのまま立ち去ってしまった。
しかし、ぶち割
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