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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
034話 エヴァによる修行風景
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法がまるで士郎さんの手により掻き消されて…いや、文字通り手刀によって真っ二つに切り裂かれた。

「え? え? な、なんで…!」
「嘘ぉッ!? ネギの魔法がただの手刀で切られちゃった!」
「正直言ってありえねーだろ!?」
「士郎…貴様、なにを取り込んだんだ?」

魔法を放ったネギ先生は当然、アスナさんやカモさん。エヴァンジェリンさんですら驚きの表情をしていた。
だが、私は士郎さんがなにをその身に宿したのかすぐに理解した。

「以前…といいますと戦国時代の九州の武将、立花道雪の逸話ですね」
「そうだ。立花道雪のエモノの名は『千鳥』…過去の歴史で『雷神』とまで評されたほどの人物だが呼ばれた理由は使っていた刀によるものが大きい…」
「なんだ、それは? どんな奴かは知らんが…」
「エヴァは知らなかったか。立花道雪の刀は別名『雷切』…落雷時に千鳥を持ってして雷を切り裂いたという逸話があるほどの名刀。よって先ほどのものはその概念武装を身に宿したからできた芸当だ」
「はっ、なるほど。その概念でぼーやの雷の魔法を切り裂いたわけか。つくづくお前には驚かされる。ではそれを纏っていれば雷系の攻撃はほぼ切り裂けるわけだな」
「そうなるな。使える回数に限りはあるが…むしろ、場所や状況を指定しないなら千鳥そのものを投影して使ったほうが効率はいいかもしれないな」
「つまりは投影と取り込みで相性がよい奴と悪い奴があるというわけか」
「そうなるな。それよりまだ装填魔力が残っているらしいから発散する。残しておくと少し後遺症が残るからな」

士郎さんが明後日の方向に手をかざした途端、魔力が迸って魔法の射手のように手の平くらいの純粋な魔力弾が打ち出されていった。
それらは結界に当たり消滅していくが一向に減る気配が見えないのでさすがに士郎さんも痺れをきらした様で、

「…面倒だ、姉さん結界の強化を頼む」
「わかったわ。でも本当に燃費が良いんだか悪いんだかわからないわね? 長期戦では有効そうだけれど…っと、出来たわよ、シロウ」
「わかった。では…魔力、装填(トリガー・オフ)――全魔力装填完了(セット)一転集中(コンセントレート)発射(ファイア)!!」

両手の間に凝縮した魔力弾を作り出しそれを結界めがけて放った途端、ネギ先生の雷の暴風もかくやと思うほどの雷の放出が巻き起こり結界を揺らした。
それだけ魔力が体内に残されていたのか、それとも士郎さんの実力なのかは定かではないが正直に凄いと感じてしまった。
そして士郎さんは「――同調解除(トレース・カット)」といって魔力放出を停止した。
士郎さんがすべてを終わらせたと同時に今まで黙って見ていたお嬢様や皆さんは目をキラキラさせながら士郎さんに駆け寄っていった。
それで私も便乗することにした
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