第1章:出会い
第7話 『彼等の原点』
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なので、ステージの上にお願いします」
「え、ちょっと待って。聞いてないんだけど」
「そりゃ、サプライズだからね」
慌てる拓巳に、洸夜がそう告げるのだった。
「恐らく、今の僕達で演奏できる最後の機会だと思う」
「だからこそ、こうしてサプライズみたいな形にした……んだよな?」
「うん。そのつもり」
「つもりってなんぞ?!」
雅人のツッコミに、会場中から笑いの渦が巻き起こる。
「というわけなんだが……やってくれないか?」
祐治の言葉に、拓巳は考え込んだ。
そして、こう答えるのだった。
「分かった。ご一緒させてもらいますよ、リーダー」
「ああ」
そう言って、拓巳は手を伸ばす。
対する祐治はそれを掴み、ステージの上と引き上げる。
その際、2人の顔は笑っているのだった。
「んじゃあ、俺はこのポジションを拓巳に譲るとしますか」
洸夜は、キーボードの前を去る。
対する拓巳は、キーボードの方へと向かっていく。
そして、2人がすれ違う瞬間、流れのままにしてハイタッチを交わすのだった。
「頼みますよ、前任者さん」
「ああ。しっかりと見ておけよ、後継者さん」
フッ、と互いに笑ってお互いが進むべき方向へと進んでいく。
「祐治、ギター」
「え、お前がギターやんの?」
「じゃないと俺入る枠ないし……」
「じゃあ、俺何すんの?」
「ボーカル一択だろ?」
え、と祐治は驚くのだった。
そんな祐治を、洸夜はからかうのだった。
「なんだ、ボーカルだけじゃ自信ないのか?」
「そんなわけないだろ。分かった、ギター頼むぞ」
「流石祐治。わかってる」
そう言って洸夜は、祐治からギターを受け取るのだった。
その際小声で、「任せてくれてありがとう」と言うのであった。
そして、洸夜が配置に着いたのを確認してマイクを再び手に取るのであった。
「お待たせしました。準備が整いました」
その言葉で、再び会場内は歓声で満たされた。
「では、改めましてキーボードの紹介を。キーボード担当、磯貝拓巳」
拓巳は、洸夜とは逆に、低音から高音へと鍵盤を走らせた。
「それではCrescendo???いや、6人なので『The forte』」
「音楽用語で『強く』か」
雅人の言葉に、祐治は頷いた。
「今日限りですが、Crescendoよりも強い???The forteのライブ、楽しんで行ってください! 曲は、自分たちが初めて歌った曲???『Shooting sonic』」
大樹の3カウントの後、拓巳のキーボードが走り始め、祐治が歌い始める。
???宇宙駆ける光の筋が 僕らに降り注いで
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