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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第7話 『彼等の原点』
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行くぞ」
「……え、あ、はい」
「まりなさん、お願いします」
「はーい」

 そう言ったまりなは、ライブ会場の中へと消えて行った。

「さてと、俺たちはこれからリハーサルがあるので失礼するよ」
「分かったわ。貴方達の演奏楽しみにしてるわ」
「ああ」
「ちょ、引っ張らんでも」

 友希那と言葉を交わした祐治は、洸夜を引っ張りながらその場を後にした。
 そして、階段を降り始めたところで、祐治が口を開いた。

「お前、あそこと知り合いだったのか」
「まあ、色々あって。なんでだ?」
「いや、まさかあの『孤高の歌姫』と知り合いだなんて思わなかったから」
「意外だったか?」
「まあな。だけど、バンドを組んだって方が驚きだったかな」
「湊がか?」

 洸夜の返に、祐治は頷いた。

「なんで、今まで1人だった奴が急にバンド組んだりしたのかなと思って」
「まあ、アイツなりになんかあるんじゃない?」
「かもな」

 まあ、俺は関係ないだろうけど、と付け加えて祐治は同意するのだった。
 そして、不意に顔を赤らめるのだった。

「なんかあったか?」
「いや。なんでだ?」
「顔赤いぞ? なんだ、タイプの奴でもいたのか?」

 洸夜は不敵な笑みを浮かべながらそう尋ねる。

「まあ、な」
「誰だ?」

 暫く黙り込む祐治だったが、こう答えるのだった。

「……白金さん」

 それを聞いた洸夜は納得するのだった。

「お前、お淑やかな感じの人がいいって言ってたもんな」

 そう返したところで、2人は会場内へと足を踏み入れた。

「んじゃ、かっこいいとこ見せられる様にも頑張らないとだな」
「???だな」

 そう言って、互いに微笑む。
 そして2人は、既に会場入りしていた3人と合流し、リハーサルに取り掛かるのであった???





 迎えた本番直前。
 ステージ脇で、彼等は控えていた。

「相変わらず凄い人気だな」

 薄らと見えるので会場を見て、洸夜は苦笑するのだった。

「ここ最近のいつも通りさ」

 と祐治が答えるのだった。

「さて、そろそろ行くぞ」
「「「「ああ(うん)(分かった)(だな)」」」」

 祐治の言葉に、一同は頷く。
 そして、ステージへと姿を表す。
 途端、会場内に飛び交う歓声。
 それをバックに、各々は配置に着く。
 全員が着いたことを確認した祐治が、マイクを手に取るのだった。

「どうも、Crescendoです。今日は、自分達のライブに足を運んで頂きありがとうございます。早速ですが、本日のメンバーを紹介したいと思います」

 そう言った祐治は、ドラムの方を指差す。

「先ずはドラム担当、森田大樹」
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