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その日、全てが始まった
第1章:出会い
第7話 『彼等の原点』
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整を兼ねたセッションを行なっていた。

「……こんなものか?」
「うーん、僕としてはもう1回ぐらいやった方がいいと思うけど」
「俺もそう思う」

 祐治の問い掛けに、結弦と大樹がそう答えた。

「雅人は?」
「俺は大丈夫」
「そうか。洸夜は?」

 祐治は、洸夜の方へと振り向きながら尋ねた。

「俺もOKだが……やった方がいいとは思う」

 ただ、と言って洸夜は続けた。

「2人が不安だって思う箇所を重点的にやって、通しはしなくても良いと思う」
「なるほど……」

 洸夜の言葉に、祐治はそう呟いた。

「とりあえず、2人がどの辺りが不安なのか聞いてみてからだな」
「僕はサビからラストまで」
「俺もだ」

 2人の意見を聞いて、祐治は1つの案を導き出す。

「じゃあ、サビ前からラストまでやるか」
「「「「了解(OK)(分かった)(うん)」」」」

 祐治の言葉に、他の4人は各々の反応を同時にするのであった。
 そして、祐治の指示通りにサビ前からラストまでの演奏を始めた。
 他のメンバーの演奏に合わせて、祐治の歌声がスタジオ内に響き渡る。
 そして、最後の小節を終え曲が終了する。

「こんなもんか?」

 歌い終えた祐治が、2人にそう問いかけるのであった。

「そうだね。僕はバッチリだよ」
「俺もだ」

 結弦と大樹は、頷きながらそう返すのであった。

「じゃあ、後は本番だけかな?」
「だな」

 洸夜の言葉に、祐治が短く返すのであった。
 そして、祐治は全員の方へと振り向く。

「今日のライブ……確実にアイツとの別れのものになる。だからこそ、最高の演奏でアイツを送り出してやろう」

 その言葉に、全員は頷くのだった。
 それを見た祐治もまた、頷くのであった。
 そんな具合でラストリハーサルを終えた彼等は、スタジオを後にし控え室へと移った。

「さて、あと1、2時間したら本番だな」

 最後に控え室に入った洸夜が、扉を閉めながらそう全員に投げかけた。

「だな。やれることはやったつもりだ。後は、本番に全力を注ぐだけ」
「だね。アレだけやったんだから、僕達は必ず成功させられるよ」

 祐治の言葉に、結弦が続けてそう答えた。

「だな。それに、俺達Crescendoは、最高の演奏ができるからな」
「おうよ。だから、不安がる事もないな」

 全員の意気込みを聞いて、洸夜は『なるほど』と頷くのだった。

「そういう洸夜はどうなんだよ?」
「え、俺か?」

 突如として雅人に振られた洸夜は、少し驚きながらも返答するのだった。

「俺も、みんなと同じ考えさ。ここにいるメンバーなら、必ず成功させられるって」
「過信してない
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