第1章:出会い
第06話 『その時まで』
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わ」
リサに呼びかけられた紗夜は、そう受け答えるのであった。
そんな紗夜の元に、洸夜は歩み寄った。
「これ、ありがとな」
そう言って、紗夜にギターを手渡した。
「そう言えばさっき、貴方音を下げたわね?」
「聞いただけで分かったのか」
「何か普段と違ったのよ。で、その反応だと変えたみたいね」
「ああ。弾きながら少しばかし調整はした」
友希那の質問に、洸夜はそう返すのであった。
「少し、音に違和感を感じたんでな」
「違和感?」
「ああ」
そう言った彼は、考え込むような仕草をしながらこう告げた。
「なんで言うかな……あの曲……『BLACK SHOUT』は、確かにRoseliaを現してる曲なんだけど……少し、音の強さが足りない気がしてね」
「強さ……?」
洸夜の言葉にリサが首を傾げるのだった。
うーん、と唸りながらも洸夜は、言葉を紡いで行った。
「なんだろう……迫力っていうのかな。それがちょっとだけ足りない気がした」
「だから、旋律をいじったのね?」
「ああ。でも、最初に皆んなが演奏していた方が、最初にも言った通り、Roseliaらしいよ」
そう答えた洸夜は、少し申し訳なさそうに俯くのであった。
対する友希那は、先程の洸夜宜しく何かを考え込んでいた。
「友希那〜? どうかしたの?」
「洸夜君の指摘について考えていたのよ。どう、調整するかを」
リサにそう言った友希那は、洸夜の方へと向き直り、こう言った。
「洸夜君、今後も私達Roseliaの練習に付き合ってもらえないかしら?」
「それってつまり……俺にコーチを頼んでいるという解釈でいいのかな?」
「そうね」
再び洸夜は、考え込むのであった。
そして、数瞬の後にこう答えた。
「分かった。俺で良ければその話、引き受けるよ」
「ありがとう。これから、よろしく頼むわ」
「ただ、俺もCrescendoで活動してるから、そんな頻繁には来れないと思うぞ?」
「構わないわ」
了解、と洸夜は短く返すのだった。
そして、自身の腕時計へと視線を落とした。
「そろそろ使用時間終わるけど?」
「あ、もうそんな時間なの?」
「なら、今日の練習はここまでにしておきましょう」
そう言って、彼女達は片付けを始めた。
洸夜も、自身の荷物を手に取った。
その後、片付け終えた彼等は、解散して各々の帰路へと着くのであった???
帰り道、紗夜と洸夜は並んで家を目指していた。
自転車を押して歩く洸夜の隣にいる紗夜は、無言のまま俯いていた。
「紗夜」
「……」
洸夜が呼びかけても、反応することなく、ただ俯いていた。
そんな彼女に
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