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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
033話 ネギの弟子入りテスト
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「やっぱり、そう思いますか…?」
「ああ。だから今から俺が茶々丸の覚えている限りの動きを模倣して挑もうとしよう」
「え? 茶々丸さんのですか…?」
「そうだ。なに、当然加減はするが気を抜いたらそこで意識は刈り取られると思え」

そして士郎さんは一度深呼吸をして目を開いた瞬間、まるで雰囲気が別人のように違っていた。
僕が構えると士郎さんは先ほどとはまったく違う動きをしてきて僕の頭は困惑しながらもなんとか対応した。でも今の動きは確かに…!

「あれって、茶々丸さんの動きじゃない!?」

そこでアスナさんの驚愕の声が聞こえてきた。
そう、何度かしか見たことないけどあきらかに士郎さんの動きではなくてそれは茶々丸さんの動きだ!

「驚いている暇など与えんぞ?」
「くっ!」

なんとか受け止めたけどそこからすごい痺れてくる。これは士郎さんなりの手加減だと思うけどとんでもない。
加減しているとはいえ士郎さんはおそらく実力はトップクラス。手を抜いたら本気で意識が飛んじゃう!
だから僕も怖気をしないで真正面から立ち向かった。
それからは防戦一方ながらもなんとか最後まで耐えることは出来た。


「…はぁ、はぁ……」
「よくここまで耐えたな。何度か刈り取ろうとしたのだがな。まぁいい。よく頑張ったネギ君」
「はい、ありがとうございます!」
「で、古菲。こんなものでよかったか? なるべくダメージを与えないように配慮したのだが…」
「最高アル! 士郎老師、ぜひ私とも対戦してほしいアルよ!」

くー老師が士郎さんに挑戦をしているとまき絵さん達が心配そうに近寄ってきてくれた。

「ネギ君大丈夫!? なんだかよくわからないけどすごい戦いだったけど!?」
「あ、はい。士郎さんは僕を傷つけないように手加減してくれましたから大丈夫です。何度か受けて痺れましたが今はもうなんともありませんし…」
「あれで手加減かぁ…。士郎さんって意外にかなりの達人だったんだね〜?」
「古菲が老師とか言っているのも納得やな」
「そうだね……」

僕もその意見には納得しちゃうな。それで士郎さんに向けて一礼すると士郎さんも手を上げて答えてくれた。
でも今回はかなりの収穫かもしれない。あれは士郎さんが茶々丸さんと対峙したときの動きだからいくつか手も浮かんできた。
通用するかはわからないけど後は本番まで力を温存しておくべきだね。
でも、そこで士郎さんから声が聞こえてきて、

「ああ、言い忘れたが茶々丸は俺の動きももうシュミレートしているから先ほどの動きは過去のものと思っといてくれ」

なんて…上げて落とすことまで忘れていないなんて士郎さんは本当にすごい。
つまり絶対に油断はするなという戒めですね。本当に頭が上がりません。


◆◇
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