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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
032話 行動を開始した二人の異邦人(後編)
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ていて今にも壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)してしまうかもしれない状態であった。

「それを握りつぶして自身の体に流してみろ! 失敗して結構だからためしにやってみるがいい」
「無茶を言う…しかしこのままでもいつ爆発してしまうかわからんからな。駄目もとでやってみるとしよう」

暴走するなよ? と、とりあえず祈りながらそれを握りつぶした。
…その後はひどかった。まるで一瞬火に焼かれているような錯覚に襲われ眩暈がしたからだ。
だがそこはなんとか踏みとどまりその魔力を全身に流すようにして、今までとは言葉は同じでも意味合いがまったく違うものを唱えた。

魔力、装填(トリガー・オフ)――全魔力装填完了(セット)!」

くっ! どうなった!? どうやら死んでいないようだが…。
すると離れて見学していた一同からどよめきが上がった。
なにごとかと思い聞いてみようと思ったが自信の体の変化に思わず戸惑った。
今現在外面はさして変わったことはないが薄く魔力が体を纏っている。

「成功、したのか…?」
「自分で言っておいてなんだが…まさか成功するとは思っていなかったぞ。とりあえず聞いてみるがなんの効果がついている魔剣を纏ったんだ?」
「いや、風属性のついたものを纏ってみたのだが…」
「ねぇねぇシロウ! とりあえず動いてみたら!? 変化があるかもしれないわよ!?」
「そうだな」
「…おもしろそうだな。チャチャゼロ。行け…!」
「アイサー!」

俺が行動を起こす直前でエヴァがチャチャゼロを俺に差し向けてきた。
だからいつものごとく回避運動を取ろうと足に強化を施し体を動かそうとした次の瞬間、俺の視界には、誰も、いなかった。
はて? と思って回りを見回したら………気づいてしまった。真下の地面がなくなっていた。
いや、なくなったのではなく……俺が、地面のない場所まで移動してしまっていたのだ。
当然重力の足枷は俺を青い海が広がる真下へと落とそうとしてくる。



「おああああああああああーーーーーーーっ!!? あ、来れ(アデアット)!!」



落下し混乱する頭でなんとか千剣を出現させてそれを掴んでなんとか落下は免れた。
そのままゆらゆらと足場がある場所まで戻るとどっと力が抜けた。腰が抜けたとでもいえばいいのか。
そこに姉さん達が駆けつけてきた。

「シロウ、大丈夫!?」
「あ、ああ…なんとかな。しかしまさかただの一足であそこまで移動したのか…?」
「自分でも気づかずにあそこまで移動していたのか…?」
「ああ…そうみたいだ。む? どうやら体に宿した魔力が切れたようだな…あの移動で集中力が切れたのか霧散したみたいだ」
「さすが魔剣といったところか。宿しただけであれほどの身体能力向上を起こさせると
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