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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
032話 行動を開始した二人の異邦人(後編)
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い、シロウ。一発で成功するなんて」
「ああ…俺自身驚いている。だが恐らくこれ以上は年数かけないと完璧にものにはできないだろう」
「そうだな。イリヤに比べたらただ火が灯せただけならまだライターのほうが効率はいい」
「そうね。それにシロウはやっぱり投影での戦い以外は似合わないし…なにか他に素手でも戦える術ってないかしら」

姉さんは真剣になって考えているがこれ以上はどうしようもないのではと思っていたらエヴァから思わぬ提案が入ってきた。

「確か士郎。お前の使える魔術は『強化』『解析』『投影』以外にもう一つ『変化』があったな?」
「ああ。確かにあるがそれがどうかしたのか…?今まで使った機会といえば木を変化させて弓と矢にしたくらいだから使用頻度は低いぞ。後、使ったとしたら宝具の形を変化させたり、効果をただの剣に宿らせるといったものだな」

エヴァにその話と、改造した後のものとする前のカラドボルグを投影して見せたところ、少し考え始めて、出した言葉は「なぁ、それは形ではなく魔力の塊に変化まではできんのか?」ととんでもないことを言ってきた。
それは、さすがに無理だろう? と思ったが姉さんは「出来るかも…」と言い出した。
その意を聞いてみると元々魔力から作り上げるのだから形にする前の段階で工程を終了させればできるかもしれないと無茶を言う。

「そんなことをして中途半端に投影した武具はどうなると思っているんだ? おそらく爆発するぞ?」
「なに、簡単なことだ。士郎、それをお前が纏えばいいんだよ」
「ばっ!? 仮にも宝具だぞ!? そんなものを体に宿すなど自殺行為ではないのか!?」

とんでもない事を言ってくれるものだ。そんな発想はしたことはないがおそらく危険だろう。
だが、戦力になるかもしれないと姉さんも人事のようにいってくる。……人事か。

「大丈夫よシロウ。もし暴走しても私とシロウはレイラインが繋がっているんだからもしもの場合はすぐに私が止めてあげるわよ」
「任せた…失敗することは目に見えているがな」
「ええ。それで試しになにで試してみるの?」
「とりあえず宝具級は今はしないほうがいいから、なにかしら五大属性の力が宿っている魔剣か防具で試してみよう」


そういって俺はみんなから少し離れたところで、

「――投影開始(トレース・オン)

まず剣の丘から手ごろな魔剣を引きずり上げる。そしてまだ魔力から外に作り上げる段階で、

「――変化、開始(トレース・オン)ッ!」

そこで工程をいじりその魔剣を飽和状態にとどめた瞬間、俺の体内で魔力の塊となったものが暴れだしそうになる。
だが、それをさせないためにその魔力の塊の状態で外の世界に現界させる。
するとやはり中途半端だったのか俺の手には魔力の塊が形を成し
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