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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
032話 行動を開始した二人の異邦人(後編)
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使ってみたがどうやらAクラスの宝具を投影して尚且つ真名を開放するよりは魔力は食わないらしい。

「だが、数だけあっても一撃の攻撃力にしては宝具より格段に下がるようだ」
「だろうな。それだけ神秘の塊である宝具が異常だということか。比べるのもおごがましいだろうな」
「それより、エヴァ。少しいいか?」
「なんだ、士郎?」
「なに、最近ネギ君が無性に古菲と一緒に中国拳法の特訓をしているのだが、エヴァに弟子入りをするという話ではなかったのか?」
「そのことか。なに、私に弟子入りをしに来たくせにすぐに違うものに目を移した奴が気に食わなかったので弟子入りの条件を茶々丸にカンフーもどきで一撃入れるというものにしてやったのだ」
「そうなのよ。それでエヴァってヤキモチ焼いちゃって」
「黙れ、イリヤ…」

それから姉さんとエヴァのにらみ合いが始まったが、なるほど…

「そうか。しかし、茶々丸に一撃など…ネギ君がいかに天才と言え一週間そこらで覚えたカンフーでは無理ではないか?」
「まぁな。才能の無いというお前のように長年かけて培って習得した様々な体術と修練・経験に比べれば奴は今毛ほども実力はなく才能に身を任せて溺れがちだからな。戒めのようなものだ」
「なるほど。才能があっても経験がなければどうしようもないからな。そこはエヴァのいうことも一理あるな」
「タカミチも魔法使いとしての才能はなかったからさぞ奴のことが羨ましいだろうな」
「タカミチさんが?」
「そうだ。あいつは魔法使いとして致命傷とも言える呪文の詠唱が出来ないからな」
「そうだったの…」
「ああ。だから昔にあいつはここで死に物狂いの修行をして今の力を手にしたわけだ。つまり士郎、お前と奴は才能がない点で言えば同類だな」
「………」

俺は無言でそれを聞いていた。ここでなにか言ってもタカミチさんの努力を侮辱してしまいかねないからだ。
それ以降は湿っぽい話はそこまでという様子で、それから違う話が色々と交わされてここは1日経過しないと外に出られないやら外ではそれが一時間しか経過していないと言うことを聞いて本当に驚いていると姉さんから試しに初歩でも唱えてみたら? と言われて、一度くらいは経験してみるかと俺は干将を投影した。

「ん? なんで詠唱するのにそんなものを投影するんだ?」
「教えていなかったが、これはもともと触媒用にも適した魔術兵装だ。だからこちらでは魔法の杖と同じ役割にもなる」
「そうだったのか。まぁいい、では唱えてみろ」
「ああ。確か…プラクテ・ビギ・ナル、炎よ灯れ(アールデスカット)…だったか? む…」

エヴァに聞く前に干将の剣先には小さいながらも炎が宿っていた。
さすがに俺も驚いた。まさか一発で成功するとは思っていなかったからな。

「すごいじゃな
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