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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
031話 行動を開始した二人の異邦人(前編)
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を手に入れたそうだ。
それに属性が『剣』だから投影も武具関係がほとんどなので楽らしいと士郎談。
そしてイリヤとレイラインというものを繋いでいる為、魔力を仮契約(パクティオー)の契約執行のようにお互いに供給ができてカードを使わなくても念話が出来ると言う。それはいいな…。
二人は通常の儀式でレイラインを繋いだそうだが…手っ取り早く済ませるならば…………口に出すのもはばかれる行為をするらしい。
これにはさすがに私も頬を少しばかり赤くしてしまった……。
そんな話はもういいとして、イリヤが次は属性について喋ろうとしたらしいがこれもまた神妙な顔になっていた。

「シロウほどではないけどやっぱりエヴァの属性も特殊で珍しいものだったわね」
「なんだ? 士郎の『剣』のようになにか限定的なものなのか」
「ええ。と、いってもこれはただ非常に珍しいっていうだけでもう認知されているから封印指定は受けないでしょうけど…それでエヴァの属性なんだけどそれは『虚数』よ」
「虚数…? それは一体どういったものなんだ?」
「ええ。虚数っていうのは目に見えぬ不確定を以って対象を拘束したり、平面の世界へと飲み込んでいく影の海を作り出す事を可能とするらしいわ。簡単に言えば自身の影を使って相手を攻撃すると言ったものね。そこらへんは詳しくないからうまく説明できないけど」
「なんだ? では私達の世界にある操影術みたいなものか」

それってなに? と聞いてきたのでどういったものか教えてやり、同時に私はあまり使えん属性だなと言ったが、イリヤは真剣な顔をしながら「違うわ」と言った。なにが違うのかと思ったが次の一言で納得できる内容だった。

「…虚数魔術っていうのはね? 自身の深層意識をむき出しにして負の側面を刃とするものなんだけど、当然操作がとても難しくてもし逆に意識を飲み込まれたら暴走することは確実と言われているの。故に禁呪とも言われているわ」
「はっ。そっちのことか!」

そうか。なるほどな。確かに私の属性に相応しいものだな?
私が編み出した『闇の魔法(マギア・エレベア)』と『虚数魔術』は自身の闇の部分を使うという点ではまったく同じではないか。

「五大属性のうちに含まれているんだったら私でも教えようはあったんだけれど、さすがにこれは専門外だから資料もないしお手上げね」
「つまりイリヤが私に教えることはほぼないということか?」
「いえ、別に五大属性に関係なく魔術回路があれば使える魔術はたくさんあるからじっくりと教えていくわ」
「そうか、ではその方針で構わん。それにおそらくその虚数という属性についてはお前より私のほうがはるかに詳しそうだからな。だからいつか使いこなしてみるさ」
「あ、そっか。エヴァのこちらでの属性は『氷・闇』だったわね」
「そういうことだ
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