031話 行動を開始した二人の異邦人(前編)
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「なんだ?」
「この方法は死ぬほどの激痛が最低でも30分以上は襲ってくるから」
「な、なに…? ちょっと待ッ…!」
「えい♪」
エヴァの制止も聞かず私はエヴァの体内に魔力を流した。
すぐにしてエヴァからとても痛がっている声が家全体に響いた。
承諾してこちらを受け入れたんだからうらまないでよね?
◆◇―――――――――◇◆
Side エヴァンジェリン・A・K・マクダゥエル
ぐっ!? な、なんだこの体中を圧迫するような激痛は! い、息がまともにできない!?
私の隣でイリヤは「気をしっかり持ちなさい! 意識を持ってかれたらそれで失敗になるから! 頭の中でイメージできるものが見つかったらそれを精神力でコントロールするのよ!」
とは、言ってくるがさすがに今は息をするのもつらいというのにそんなものを確かめている余裕などない!
それから激痛はおそらく30分以上続いてようやく息継ぎも正常に戻ってきてなにか頭にイメージのようなものが、いや違和感と言ってもいいな? それが浮かんできたことをなんとかイリヤに伝えたが、
「そう。それじゃ今度はそのエヴァが感じた違和感を『魔力の生成回路だ』と強く認識して。そして、それを体内に定着し己の体とそれらを重ね合わせる感じにしてみて」
イリヤの言われたとおりにそれを行動に起こしてみた。すると先ほどまでとはいかないほどものの激痛が襲ってきたので必死に耐えてイメージを定着させたらなにやら脳内イメージでいくつもの回路のようなバイパスが浮かんできた。
イリヤが言うには「それが魔術回路を認識したということよ」と言うが…
「なぁイリヤ。お前達の世界の魔術師は狂っているな。初歩の魔術回路生成するだけでこれだけの激痛が襲ってくるとは私の想像を遥かに上回っていたぞ?」
「そうなの? 私達の世界ではこれが日常だったからあまり気にしていなかったわね。でも、だから宝石を使ってゆっくりと開いていくことをお勧めしたんじゃない?」
「確かにそうだったな…」
「でも一気にやってよかったかもね。宝石を使って回路を開こうとするとさっきのエヴァが感じた激痛は半分くらいで済むけど、その代わりにじわじわと痛みが襲ってくるから」
「それはまた……まったく末恐ろしい話だな…」
「それよりこれでエヴァの魔術回路も開いたはずよ。なにか始動キーを唱えれば回路は起動するわ。今なにも思いつかないのなら常日頃から使っているこちらの始動キーでも構わないわ」
だから私は「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」と呪文を唱えた。すると突如として体中に魔力が駆け巡っていく感じがして私は思わず大声を出し笑い出していた。
「あははははははは! 魔力が、私の体を満たしているぞ!」
「やっぱり…こちらの魔法は自然界から力
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