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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
031話 行動を開始した二人の異邦人(前編)
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さわやかな笑顔で学園長の頬に干将を当てていた。
普通ならここでガンドルフィーニ先生はその生真面目な性格からしてなにか言ってきそうだが、もうなれてしまったのか苦笑いを浮かべ、

「まぁまぁ、衛宮。学園長も本気じゃないんだからここは穏便にいかないか?」
「いえ、学園長はいつも本気でものを言ってきますよ。だからこれくらいやっておかなければいつの間にか用紙に判を押していたとかいう事態になったら堪りませんからね…」
「ああ、学園長のお孫さんの件だね。なんでも腹部に大穴の重症を負った衛宮の傷を仮契約(パクティオー)することによって完全に治してその力を開花させたって言う…」


…………、…ナンデスト…?


「……………その話は、どこから出回ってきましたか?」
「学園長からさっき聞いたんだよ。そうです………いないな?」
「転移して逃げたか…」

俺とガンドルフィーニ先生が同時に学園長のほうに振り向いたが時既に学園長はその場から離脱していた。
それでガンドルフィーニ先生は引きつった笑顔を浮かべながら、

「私は誰にもいうつもりはないけど…一ついいかい?」
「俺からも一つ…決して生徒に手を出すなどという行為はしませんからね?」
「わかっているならいいんだよ。ハハハ………」
「当たり前ではないですか。ハハハ………」

二人してから笑いをしていたが、俺は気持ちをダークサイドに落として、

「……今から学園長を叩きのめしてきます……」

その一言でガンドルフィーニ先生の顔は硬直して動かなくなったが、ここは放っておくのが一番だと感じ俺は歩き出した。
…さぁ。狩りの時間だ。
それから俺は全速力で学園長の居所を探すのだった。
……そしてその日の夜にどこからともなく学園長の絶叫が響き渡り、同時に白髪の鬼が学園長を襲ったのだというふざけた都市伝説が広まったそうだが、それを俺が知るのはまだ当分先の話なのでここで割愛させてもらう。
…そういえば姉さんが最近エヴァの家に行く話をよく寝る前に聞くな。試しに俺もなにをしているのか見に行ってみるとしよう。


◆◇―――――――――◇◆


Side  衛宮イリヤ


そろそろシロウの方も工房作りに熱を入れ始めたらしいから私も動こうかしら。
シロウは今回の事件でなにも言ってはこなかったが、私自身が力不足だと自覚をしてしまった。
だからエヴァに私達のことがばれた後、魔法を教えてくれないかな? という相談を持ちかけてみた。
けど、エヴァはとてもだるそうな顔をしていた。だけどそれはもう想定内のことだったので私も切り札を一枚出すことにした。
それはエヴァに私達の世界の魔術を教えるという話だ。
それにいい具合に食いついてきたエヴァは一転して真面目に私の話を聞いてくれるよう
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