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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
030話 修学旅行編 最終日 修学旅行の終わり
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作ってくれる。
だが、もとの世界では俺の魔術は異端の扱いを受け、いつかは知らないが魔術協会という魔術師の総本山である時計塔の者に知られてしまい魔術師にとって最高級の名誉であると同時に厄介事でもある封印指定という称号をかけられてしまった」
「封印指定、とは一体どういう意味なんですか?」
「私が説明するわ。封印指定っていうのはこちらではとても正気とは思えないでしょうけど、稀少な能力を持った魔術師…ただの魔術も知らない人間でも構わない。その人達を保護という名目で拘束・拿捕してサンプルとして一生幽閉し、最悪の場合脳と魔術師の体に流れる魔術回路や一族に代々伝えられる魔術刻印と呼ばれるものさえ残ればいいという考えの下、魔術協会の魔術師や聖堂教会という場所から代行者と呼ばれる執行者が派遣され抹殺指定までされてしまう厄介なものよ」
「そんな非人道的な組織が、そちらの世界にはあるというのですか!?」
「…ええ。こちらは人々の幸せのために魔法を使うというけど、こちらでは非人道的と言われても構わない、研究さえできればいいという考えを持った奴らが大半を占めているから人助けなんて本当に二の次の世界ね。だからシロウと私は追われたわ…」

そこで姉さんはとても悲しそうな表情になり俺は姉さんを落ち着かせるために手を握ってやった。
それで姉さんも少しは和らいだようで話を進めよとしたとき、第三者の声が聞こえてきた。その声はエヴァだった。

「…なるほど。これでお前達の足取りが掴めなかった理由がわかった。まさか異世界から来たとはさすがに私も思いつかなかったぞ」
「エヴァンジェリン…この件については…」
「安心しろ、近衛詠春。私はじじぃと違い口は軽くないから話す気はない。それに士郎にはいずれ大きな借りができてしまうのだから尚更だ。しかし、確かにお前達の世界はどう非人道的であれ魔術を保管、管理するというところは納得できてしまうな」

そのエヴァの言葉に詠春さんは少し怒気を孕んだが俺達がどうにか落ち着かせた。
そう、世界が違うとはいえそういう組織はどの世界にも必ず存在するのだから。

「それを考えれば宝具投影などという化け物じみた力を持ったお前はその魔術協会にとっては単純に口から手が出るほど欲しがったサンプルなのだろうな?」
「そうだな。エヴァの言うとおりだ。神秘に近すぎ過ぎたものや漏洩したものにも封印指定はかけられる。そのどちらも俺は、手を出しすぎた…」
「出しすぎたか…おおかたお前は人助けのために力を行使し続けたのだろう?」
「確かにそうだ…だから俺は自己のためより他人のために一つの手段として魔術を使うから魔術師ではなくどこまでも魔術使いだったんだ」
「…お前は、生まれる世界を間違えたのかもしれないな。その思考はもう私達の世界の魔法使いの常識に近いものがあ
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