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剣製と冬の少女、異世界へ跳ぶ
029話 修学旅行編 3日目(04) 長い夜の終焉
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を失った。
そこには石の槍に貫かれ腹部と口から大量の血を流しているシロウの姿があったから。

「シロウーーーーー!!」

私の叫びにその場にいたほぼ全員が悲痛の叫びを上げた。
エヴァもなにやら険しい顔をしている。
だけどシロウは震える体でアーティファクトを出し、その燃え上がる大剣を持ってして少年を袈裟に切り裂いた。

「…なるほど。やっぱり最初に気づいたのは君だったようだね。でも、その怪我ではもう助かることはできない…不確定要素が一人消えてよかったよ。それじゃ僕はもう退くことにするよ」
「ぐっ…やはり幻像だったか。なんて、間抜け……がッ!?」

少年はまるで水に溶けるようにその場から消え去った。
だけどそんなことに構っているほど私達には余裕がない。シロウは今もなお腹部に穴を開けて瀕死の重傷を負って倒れているんだから!

「シロウ! シロウ! しっかりして!!」
「………ぐっ、はっ……!」

私の必死の呼びかけにもシロウは苦しむ素振りしか出来ないほど弱っている!

「士郎さん! 士郎さん!」
「士郎の兄ちゃん! しっかりせぇや!」
「いややわ! しっかりしてな士郎さん!」
「お嬢様! どうか落ち着いて!」

ネギやこのか達が青い顔をして泣きながらも私と一緒にシロウに呼びかけてくれている。でもそれで事態が好転してくれるわけでもなく私は己の力の無さを嘆いていた。

「え、エヴァちゃん! どうにかならないの!?」
「わ、私は治癒魔法は苦手なんだ……イリヤはどうなんだ!?」
「時間をかければどうにかなるかもしれないけど……こんな深い傷は今の私じゃどうにもできないわ!」

私はまたシロウのことを救ってあげることが出来ないの!? シロウのことは私が護ってあげるって約束したのに!
だけどそこでシロウは小さいながらもなにかを呟いている。

「……ヴァ……ンを……使う…だ…」
「!」

シロウはその一言を呟いてまた喘ぎを上げだした。
でもそうだわ! アヴァロンを使えばどうにかなるかもしれない! でも、こんなみんながいる前で使うなんて…シロウが人間じゃないと誤解されてしまう! どうしたらいいの!?
だけどそこでカモミールがなにかを思いついたのか大声を上げた。

「そうだ! このか姉さんの力なら士郎の旦那を治せるかも知れねぇ!」
「そうか! あのときのセツナを癒した治癒の力でなら! カモミール、すぐに準備をしなさい! 一刻を争うわ!」
「合点ッす!」

カモミールはすぐさまシロウの周りに魔法陣を書き出した。
それで私はこのかの方へと向いて、

「コノカ! 今、シロウを救えるのはコノカしかいないわ! だから……!」
「ウクッ…グスッ……ウチの力で士郎さんが助かるんならなんでもするわ!ウチ
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