029話 修学旅行編 3日目(04) 長い夜の終焉
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!! 最強無敵の悪の魔法使いだよ!!」
高笑いを上げながらも天ヶ崎千草を見下す表情は変えずにいる今のエヴァはまさに闇の福音に相応しいと言えるだろう。
それにさすがにネギ君達は息を呑んでいるようだ。
まぁ、実際俺と姉さんも驚いているのだから。こんな魔法はあちらの世界では大魔術以上の力を持っているからな。
それをいうとネギ君も充分すごいと実感はできる。
「全ての命ある者に等しき死を。其は安らぎ也……」
そこでさらに追い討ちでエヴァが詠唱を進め鬼神はもう動けぬこと不可能な域にまで達していて体中に今すぐにでも砕けんとばかりに皹が入りまくっている。
だが、そこでエヴァは詠唱を止めこちらを目で射抜くように見てきた。
「……なんだ、エヴァ? 終わらすのではないのか?」
「いや、ここで“おわるせかい”でぶち壊してもいいのだが……最後は貴様が決めろ。一撃で滅ぼせるようなものはなにか持っているのだろう? なぁ? “宝具使いの魔術師”よ」
「!……やれやれ、さすがに使いに使ったからエヴァには見破られたか」
「そのようね、シロウ。だからもういいんじゃない? あんなでくの坊はあれで止めを刺してあげたら?」
「あれというと、あれか……」
「し、士郎さん……宝具使いって一体……?」
そこでネギ君がおずおずと尋ねてきたがもうあまり隠す必要もないので俺は一度視線を向けた後、また前に向けた。
無言のやりとり。それだけでネギ君はなにかを理解したのか押し黙った。遠坂でいう意味のない会話『心の贅肉』とはよくいったものだ。
俺は先ほどまで待機状態だった魔術回路に撃鉄を下ろしていき火を上がらせる。
そしてイメージするのは彼の最速の英雄が所持した当たる前からすでに結果がわかっていて因果を捻じ曲げ必ず心臓を貫く呪いの魔槍。
「投影開始……投影、装填!」
詠唱後に俺の手に顕現するのはルーン文字がいくつも刻まれている赤い槍。
それを軽く回転させた後、四肢を地面に着かせ投擲体勢に入ると同時に周囲のマナが槍に集束していく。それはさながら貪り食うといってもいいほどの速度域。
それに伴い俺の魔術回路も悲鳴を上げだすがそれはひと時のもの。真名開放しようとしているのだからそれ相応の宝具には代償はつきものだ。
槍に込められているその異常なほどの魔力の内包密度にエヴァは「ほう……」と声を鳴らし、姉さんは「やってしまいなさい!」という表情をして、ネギ君とカモミール、アスナは声を上げることも不可能なのかこの槍に目を貼り付けている。
そして……準備は整った。
「全工程投影完了――――さて、大鬼神。その心臓……貰い受ける!!」
俺はその場から足場に魔力を集中させ助走をつけ
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